第178話 感謝 ページ36
数日後。よく晴れた青空の下、リヴァイの車椅子を押して歩く。
2人とも黒い服に身を包み、リヴァイの手には大量の花束。広い平地に並ぶ墓石のひとつひとつにその花を供えていく。
共に戦い散っていった仲間には、最後まで見ていてくれてありがとうと感謝を。自分が殺してしまった仲間には懺悔の気持ちを乗せて。
調査兵団だけでなく、駐屯兵団と憲兵団の墓も全て回った。
暗殺されたザックレー総統、巨人になって亡くなったピクシス司令やナイルの墓にも花を供える。
大陸で死亡したフロックの墓を回ったあと、ひとつの墓石の前で足を止めた。
その墓石に刻まれた文字を見てクスッと笑みが溢れる。
《永遠の ご馳走と眠る》
リヴァイは私に花束を3束渡し、「行くところがある」と言ってその場を離れた。リヴァイの持っていた花束は残り2束。行き先はわかっている。
受け取った花束と共に、持ってきたある物を皿に乗せて一緒に供えた。サシャの好きな蒸かした芋だ。
『これ、サシャに会いに行くって言ったら、ニコロさんが用意してくれたんだよ』
ニコロもサシャの食べている時の笑顔が好きだと言っていた。やはりサシャの笑顔には人を幸せにする力がある。
今でもたくさんのご馳走に囲まれて、お腹いっぱい食べていたらいいな。
『サシャも、私と友達になってくれてありがとう！』
サシャに感謝を伝えたあと、次の場所へと向かう。
調査兵団の歴代団長の眠る場所。その中の一番新しい墓に花束を置いた。リヴァイの供えたものと並べるように。
『ずっと見ていてくれてありがとうございました、ハンジさん…』
《第14代団長 ハンジ・ゾエ》と刻まれた文字を手でそっとなぞる。
別れ際、ハンジは私に巨人の話を聞いてくれて嬉しかったと言った。それと同じで、私の作ったものをいつも褒めてくれて嬉しかった。
新しい機械に名前も付けてくれて、すごいねとハンジから頭を撫でてもらうのが大好きだった。
『ハンジさんの望んだ未来、遅くなったけど叶えられましたよ』
ハンジから最後に送られた言葉。その意味は鈍感な私にだってわかった。焦れったそうにしながらも、ずっと見守ってくれていたのだから。
もっと早くに自分の気持ちに気づいてリヴァイに伝えていたら、ハンジを喜ばせられたのに。後悔の念に駆られる。
『これからも私とリヴァイさんのこと、見守っていてくださいね』
柔らかな風が頭上を優しく吹き抜けていった。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
