第177話 自由 ページ35
パラディ島に帰ってきた私たちのためにヒストリアがある人たちを呼んでいるという。
それはサシャの両親と子どもたち、ニコロ、そして私の母だった。
ガビとファルコはサシャの両親にお世話になったことがあるらしく、3年ぶりに再会したその姿は本当の家族のよう。
特にガビはカヤという少女と固く抱きしめあっている。
テクトンとオニャンコポンも元マーレ兵士仲間のニコロと再会を喜び合った。
自分も母の元へ行き涙を流す。母は昔よりしわの増えた手で「おかえり」と優しく抱きしめてくれた。
技術者として立派に成長し、世界の平和に貢献している娘の私を誇りに感じている。きっとエルヴィンも喜んでいるだろう。
母は静かに涙を流しながらそう言った。
それからしばらく家族との時間を過ごした。会えなかった時間を取り戻すように、色んなことを話しながら。
ーーーーーーー
夕方頃、港から北へ上りミカサの案内で小高い丘の上に向かった。
丘の上にそびえ立つ一本の木。その木の下にエレンが眠っている。静かに、永遠に。
持ってきた花を小さな墓石の前に供え、心の中でエレンに語りかけた。
大陸では少しだけど文明が復活して、今のところは武器のない世界が実現している。
だがパラディ島には銃や大砲などの武器が溢れている。その中には過去に自分が開発したものも含まれているだろう。
この島に武器がある限り、いや、人がいる限り争いはなくならず武器も増え続け歴史は繰り返される。
でもそんなことは私がさせない。私が生きている間はこれ以上武器は増やさない。
この先続く人類の長い歴史の中の、ほんの一瞬でもいいから束の間の平和を築きあげる。
何十年かかろうとやり遂げる。なぜなら私は、諦めの悪い調査兵団の技術者だから。
そのためにもエレンの言った通り、長生きしないとね。
墓石に刻まれた文字を見つめながら、記憶の中でも言った言葉をもう一度エレンに送った。
『エレン、私と友達になってくれてありがとう！』
自分の後にリヴァイやイェレナもエレンに花を供える。その後ろで丘の上からの景色を眺めた。
かつて我々を囲っていた高い壁はなくなり、残された家々が壁の形に立ち並ぶ。その向こうに緑の大地が広がっている。
『ここはすごく良い場所だね。開放的で遠くまでよく見えて、自由を感じる』
「うん…エレンもきっと、喜んでくれてると思う」
マフラーに手を当て微笑むミカサの後ろに、一羽の鳥が飛び立った。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
