第175話 物語 ページ33
アルミンたちがパラディ島へと旅立ってからも、私たちの活動は続いていった。
まだ街の開発が進んでいない地域へ行き、今日も避難民への支援をしていく。
車椅子に座るリヴァイの前にできた列。先頭の子どもがリヴァイからお菓子を受け取り嬉しそうに駆けていった。
次にリヴァイが箱から取り出したのは棒のついたキャンディ。何かを思い出したのか、ゆっくりと瞬きをしてから子どもに渡した。
オニャンコポンとイェレナは荷馬車で運んできた物資を荷台から下ろしていく。
イェレナの持つ箱に入っているのは、野球のボールとグローブだった。
そこから離れた場所では、ガビとファルコが2人で苗木の植え付けを手伝っている。
苗木を植えて木を育てる。更地となった土地に緑が芽吹くようにと。
その近くで、テクトンが紙を広げて頭を捻らせている。
現在避難所生活を送っている人々が暮らす住居を建設する前に、電線をここまで伸ばさなければならない。その計画を立てている。
そして私は、無線で連絡を受けてから工房での仕事を終わらせ、自らが作った乗り物・バスを運転してガビたちを迎えに行った。
バスはヒィズルの技術者から学んだもの。詳しい仕組みは教わっていないが、見せてもらった写真を思い出しながら車の構造を応用して自分なりに作ってみた。
学んだ知識はひとつたりとも忘れていない。
ガビたちのいる場所に到着し、バスの運転席を降りた。
ちょうどその時、山の向こう側から鳥の大群が飛び立った。
鳥は自由だ。壁を越え海を越え、羽がある限りどこまでも飛んでいける。
頭上を羽ばたく鳥を見上げながら、自由を求めて進み続けたかつての友を思い出した。
ガビとファルコ、テクトン、それから一緒に作業をしていたエルディアの人々を乗せてバスを発車させる。
運転する私の横にガビがやって来た。
「ライナーたち、無事に島に着いたかな？途中で撃沈されたりしてないよね？」
『大丈夫だよ。ヒストリアはそんなことしない。和平交渉もきっと上手くいく』
「上手くいったら、私たちも島に行ける？私もパラディ島に会いたい人がいるの」
『すぐには無理だけど、いつか絶対に帰れるよ、故郷の島に』
今ごろアルミンたちが必死に平和を訴えかけているだろう。
パラディ島の人々がそれにどう応えるかはわからない。
でも、アルミンの話す我々の見てきた物語の全てを聞けばきっと考えは変わるはず。
私はそう信じている。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
