第174話 大使 ページ32
世界から巨人の力が消えてから3年。
地鳴らしで平らになった世界は少しずつ復興を遂げ、元通りとはいかないまでも文明を取り戻していった。
とはいえ、甚大な被害の傷跡は癒えぬまま。
未だに避難所生活を強いられる人々が大勢いて、各国が協力して食糧支援などを行なっている。
地鳴らしから生き残った人類は皆思っただろう。争いは繰り返さないと。
そんな折、パラディ島の女王・ヒストリアから手紙が届いた。
パラディ島のエルディア国はイェーガー派が取り仕切る軍を結成。軍備増強に力を注いでいる。
海の向こう側で生き残った人類の報復を恐れて一丸となり声を上げる。「戦え」と。
エルディアと世界のどちらかが消え去るまで戦いは終わらない。
それでもエレンはこの世界を私達に託すことを選んだ。今私達が生きている、巨人のいない世界を…
手紙にはこう書かれていた。
残された大陸の人類は報復などできる状態ではない。むしろ軍備増強を行うエルディア国を恐れている。
そこで、各国の代表者が会談を開き、エルディア国に和平交渉を試みることが決定した。こちらに敵意はない、平和を願っていると。
その和平交渉の連合国大使に、地鳴らしを止めた我々が抜擢された。
それからしばらくして、パラディ島に向かう船の準備が整った。
皺一つないスーツを着込んだアルミンたちは見送りに来た人々に別れの挨拶を告げる。ライナーやアニも家族との別れを惜しんでいる。
挨拶を終えたアルミンが近くで様子を見ていた私とリヴァイの元へとやってきた。
「じゃあ、僕たちは行くね。大陸の方は任せたよ」
『うん。ヒストリアとミカサ…それからエレンにもよろしくね』
汽笛が鳴り船が出港。港に集まった人々は手を振りながら見送っていく。
ずっと一緒に戦ってきたアルミンたちと初めての別れ。また会えるかどうかもわからない。蒸気を上げながら遠ざかっていく船に、だんだんと視界が滲んできた。
「島に帰りたいんじゃなかったのか？」
『帰りたい…でも、まだここでやらないといけないことがあるので…』
我々が和平交渉の大使に抜擢されたとき、私は大陸に残る決断をした。
みんなと一緒に故郷の島に帰りたい想いはあった。
だが、文明を復活させると宣言した以上、班長でもある私は復興途中の大陸を置いて帰るわけにはいかない。
自分を必要としている人がまだ大勢いる。島へ帰るのはそのあとでいい。まずは自分の役割を果たさないと。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
