第173話 進展 ページ31
「で？その後の兵長とは何か進展あったの？」
とある非番の日、食堂でコーヒーを飲みながらピークが私に問いかける。
ピーク、アニ、私の3人は、非番が重なった日はよくこうして他愛もない会話をして過ごすようになった。
話の内容は様々だが、女が集まれば自然と発生するのが恋愛の話題。
特に、結婚を前提に付き合っている相手がいる上に、鈍感で話の主導権を握り損ねる私はその標的になりやすい。
『やっと目を合わせて話せるようになったよ』
「え、まだそんなとこ？あんたたち付き合って何ヵ月たってると思ってんの？」
『3ヵ月くらい？』
「いやそれは知ってるけど、いくらなんでも遅すぎる」
「普通の恋人ならキスくらいとっくに終えてる頃だと思うなぁ。兵長はよく我慢してられるね」
“キス”という単語にビクッと肩が揺れ、湯気が出そうなほど顔が熱くなる。
「あれ？この反応、もうキスは経験済みって感じかな？」
「どうせAが恥ずかしがって1回しかしてないんでしょ」
鋭い2人に黙って頷く。
一度だけリヴァイと交わした口付け。恥ずかしすぎてほんの一瞬しか触れていなかったが、あの時の感触は今でもしっかりと覚えている。
『わ、わたしは不思議なの…！そもそも口というものは食べ物の摂取を目的とした器官であって、他人と合わせることは本来の目的ではない、なのになぜ人はキスをしたがるのか永遠の謎！』
息継ぎもせずに一呼吸で言い終えた。感情を理屈で語ろうとする私に2人は呆れた視線を送る。
「でもキスしたいとは思ってるんでしょ？」
『そ、そうだけど……それより、最近やきもちが増えてきて苦しい』
「誰に焼いてるの？」
『……避難所の子どもたち…』
復興の手伝いをする上で避難民との交流は欠かせない。だが、片目がなく顔に大きな傷痕のあるリヴァイは子どもたちから怖がられていた。
そこで、子どもたちにお菓子を配ってはどうかとガビが提案。何度か配布を行ううちに子どもたちはリヴァイに懐いていった。そこにやきもちを焼いている。
「やきもち焼くほど好きってことでしょ？それなら兵長の我慢の限界が来る前に恋人らしいことしてあげなよ」
『うん…』
それから私は関係を進展させる努力をした。リヴァイは私のペースに合わせてくれるがたまに強引な時も。
その甲斐があり、私はゆっくりと、まるで手足の短い巨人が這って進むような速度でリヴァイと距離を縮めていった。精神的にも物理的にも。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
