第168話 笑顔 ページ26
掃除機を渡すのは他人に任せられない。でもリヴァイと話すのは緊張する。
完成してからずっと、どうやってリヴァイに渡そうか悶々と悩んでいる。
そんな私の焦れったさに痺れを切らしたのか、ファルコがリヴァイを呼んでくると言って工房を飛び出していった。
年下にまで気を使わせてしまった。きっとめんどくさい師匠だと思われただろう。恋愛においてはファルコの方が師匠でもあるし。
ほどなくして、リヴァイが一人で工房にやって来た。
工房で2人きり。プロポーズされたときと同じだ。違うのは2人の関係性だけ。
「散々俺を避けやがって。今までの鈍感さはどこに行った」
『ご、ごめんなさい…まだ、慣れなくて…』
身体はリヴァイに向けているが、まだ顔は見れずに目を伏せる。心臓の動悸も止まらない。
「まぁいい。お前は鈍感である前に純粋だからな。俺も事を急ぎすぎた」
本題は何だと聞かれ、作った掃除機をおずおずと見せた。
「まさか、それは…」
『掃除機、2号機です』
前作の面影があるため、リヴァイはこれが何なのかすぐにわかったようだ。
『ガビとファルコから、リヴァイさんの掃除が厳しすぎるから何とかしてくれと苦情があったので作りました…』
「なんかコソコソ作ってると思ったら、そういうことか」
『これなら、リヴァイさんも車椅子に座ったまま掃除できると思って…』
掃除機から伸びる電線を部屋にあるコンセントに繋ぎ、掃除機の電源を入れた。
工房中に轟音が響き渡る。掃除機本体から繋がったホースの先で塵を吸い取ったあと、すぐに電源を切った。
『どうしても使うときの音を小さくできなくて…本体もすごく重くなってしまいました…』
前作と大きく違うのは電気を使ったこと。電気はパラディ島にはなかった技術で、その存在を知ったときの衝撃は今でも忘れられない。それほど便利なものだった。
学んだ知識を活用して2号機は電気を使った仕様にしたが、改善点はまだまだ多い。
ホースをリヴァイに渡し、実際に使ってみてもらった。
新しい掃除機に対してリヴァイがどのような反応を示すのか、不安に駆られて目が泳ぐ。
「前より格段に性能が上がってるな。これならガキ共の手はいらねぇ」
一言名前を呼ばれ、少し上目でリヴァイを見た。
「ありがとうな」
息を呑んで目を開く。
私の瞳に映ったのは、笑った顔のリヴァイだった。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
