第166話 信頼 ページ24
誕生日から約一週間後、記念写真の現像ができたとテクトンから呼び出された。
宴会をしたあとからなぜか避けられているようで話すのは久しぶり。
テクトンは無言で写真を差し出した。
お礼を言って写真を受け取るが、テクトンは写真を持つ手を離そうとしない。
破れない程度の力で引っ張っても離してくれない。不思議に思ってテクトンを見上げた。
「…こんなこと言われて迷惑かもしれねぇけど、俺はまだお前のことが好きだ。振られてからもお前を諦めきれなかった」
『…あ…気付かなくて、ごめんなさい…』
「謝んなよ。よかったじゃねぇか、好きな人と結ばれて…」
テクトンは写真から手を離した。また彼を傷つけてしまったと思うと顔を見れなくなる。
『テクトンさんが恋愛とは何たるかを教えてくれたから、私は自分の気持ちに気づけました。本当に、感謝してます』
「俺が教えたのはほんの一部だ。全部じゃねぇ」
『これからも同じ技術者として仲良くしてください。それで、また色んなこと教えてください』
「ああ、もちろんだ。でももう恋愛は教えてやらねぇぞ。それは兵長から教えてもらえ」
『はい…そうします…』
テクトンは少し笑って私の頭にポンと手を置き、一言呟いてからその場を去った。「幸せにな…」と。
写真を見ながら、もう幸せだと心の中で答えて部屋に帰った。
ーーーーーーーーーー
Aと反対側に歩いていったテクトンは、廊下の角を曲がったところで誰かとぶつかりそうになった。
「聞いてたんですか…？兵長…」
「こんな場所で喋ってるお前が悪い」
そこにいたのは車椅子に座ったリヴァイ。片目のリヴァイからは感情が読み取れない。
「Aによると、技術者ってのは諦めの悪い連中らしいな。お前はこのままAを諦めるのか？」
「…技術者も諦める時だってある。だけどそれは、他の優れた奴が成し遂げてくれると信じてるからだ」
テクトンはこれまで自分を睨み続けていたリヴァイの左目をじっと見据えた。
「好きな女には幸せになってほしい。兵長なら、Aを幸せにしてくれると信じてます」
「ああ、だが俺にもできねぇことがある。技術のことでAを満足させてやれるのはお前だけだ。これからもあいつに技術を教えてやってくれ」
「言われなくても、同じ技術者の立場は利用させてもらいますよ」
この日から、テクトンがリヴァイから睨まれることは一度もなかった。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
