第165話 現実 ページ23
頭の痛みで目が覚めた。
食堂内は静かで、窓の外から差し込む朝日の薄明かりによって陰影が作られている。
身体を起こし、固まった肩をほぐしながら周りを見てギョッとする。
机にある料理の皿はめちゃくちゃ。床にもワインの瓶が転がっており、みんなも椅子に座ったまま寝ている。
ワインの瓶を持ったまま床で寝ている人もいて、お酒を飲んでいないガビとファルコも騒ぎ疲れたのか、すやすやと眠っている。
私が寝てしまってからもだいぶ長いこと宴会は続いていたようだ。
身体を起こした拍子に肩から落ちたものを床から拾い上げる。よく見るとそれはリヴァイの上着だった。
そういえばリヴァイの姿が見えない。上着を持ったまま辺りを見回す。
その時、食堂の扉が開いた。
「起きたか」
入ってきたのはちょうど今探していたリヴァイ。車椅子には乗っておらず、普通に立って歩いている。片手にバケツと雑巾を持って。
「こいつら、久々の酒だからって暴れやがって。汚ねぇな」
そう言いながらリヴァイは散らかった食器を重ね、机の上を拭いていく。
手伝おうと立ち上がるが、ズキっと頭が痛み額を押さえる。リヴァイから休んでおけと言われて再び椅子に座る。
頭を押さえたまま、掃除をするリヴァイを眺めた。
昨日の今日で何を話せばいいかわからず気まずい。そもそも、これからどう接していけばいいのかもわからない。
『……夢…じゃない、ですよね…？昨日のこと全部…』
「ああ…」
『よかった…』
持っていたリヴァイの上着をギュッと抱きしめる。
みんなに誕生日を祝ってもらったことも、リヴァイからプロポーズされたことも、恋仲になれたことも、全部現実だった。
昨日一日が夢と錯覚するほどの濃厚な日。一生忘れられない誕生日になった。
「おい、いつまで寝てるんだ。起きろ。汚ねぇ酔い方しやがって」
リヴァイは、床で寝ているライナーや泥酔しているジャンを蹴って起こしていく。自分もアニやピークの肩を揺らして起こしていった。
まだ頭は痛い。でもこの痛みが昨日のことを現実だと教えてくれている。
起こされたみんなは頭を押さえたりまだ眠そうだったり、だるそうにぐったりしている。一体どれだけ騒いでいたのだろう。
「起きたらさっさと片付けて掃除しろ」
リヴァイの一言に皆も一気に現実に引き戻される。
その後はみんなで宴会の片付けをして、この日は一日、全員仕事が休みになった。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
