第145話 赤面 ページ3
翌日、アズマビトはヒィズルの現状確認のために国に帰った。
ヒィズル国も地鳴らしの通るルートにあり、地鳴らしの速度から考えて国の大半は壊滅している。残された地域を中心に国の再建をしていくのだと言う。
キヨミは我々も一緒に来ないかと誘ってくれたが、アルミンはそれを断った。
まずは今いる場所で復興の手伝いをすると、調査兵団の皆で昨日決めたのだ。
アズマビトと一緒にいたイェレナとテクトン、さらにライナーたちも家族とここに残ると言ってくれた。
別れ際、ヒィズルの技術者たちから、熱心に勉強してくれてありがとうと感謝された。
お礼を言いたいのはこちらのほう。ヒィズルの技術をたくさん教えてもらった恩は一生忘れない。
アズマビトを乗せた船を名残り惜しく見送る私の横にアルミンがやって来た。
「Aはヒィズルに行きたかったんでしょ？Aだけでも行って技術を学んできてもよかったんだよ？」
『今はヒィズルの人たちも私に教えてる場合じゃないだろうし、この地域の復興も大事だからね。ヒィズルへは落ち着いてから行くことにする』
「うん、それがいいね」
『それに、離れたくないから…』
少し離れた場所にいるリヴァイを横目でチラッと見た。察しの良いアルミンはそれだけでわかってしまうらしい。
「えっ⁉︎もしかして気付いたの⁉︎いつ⁉︎」
『マーレに行く直前に…』
「そうだったんだ。じゃあ後は兵長に気持ちを伝えるだけだね」
『それが難しい…緊張して……』
「気持ちはよくわかるよ。でも行動しないと伝わらないから、お互い頑張らないとね」
『うん……ん？お互い？』
横を見ると、アルミンも少し顔を赤くしてもじもじしている。
『アルミンも好きな人がいるの？』
「まぁ…うん…」
全く気が付かなかった。自分だけではなく他人の恋愛にも疎かったらしい。ミカサだけで精一杯。
『私と違ってアルミンはしっかりしてるから、きっと上手くいくよ。応援してるね』
「えぇ⁉︎そこは誰って聞くところじゃないの⁉︎聞かれると思って身構えてたんだけど！」
『そうなんだ。誰？』
珍しくあたふたしているアルミンは小さく「アニ…」と答えた。
アルミンは水晶体のアニの元へ通っているうちにアニを意識するようになり、船で移動中に少し話したが、まだはっきりと告白はしていないらしい。
もう巨人のいない世界。少しくらい恋愛をしたって許される…はず…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
