第160話 相愛 ページ18
窓から差し込む橙色の光が2人を包み込む。
まるで時が止まったかのように動けず、頭の中でリヴァイの言った言葉が繰り返される。
『……な、なんで…』
いつもなら返事に時間はかからないが、今はすぐに受け入れられないほど動揺してしまっている。
それほどまでにその言葉の威力は大きかった。
『……私がアッカーマンだから、同じ一族を守るため…？それとも、エルヴィンの妹だから…？』
「違う。それは関係ねぇ」
『エルヴィンとハンジさんが、そう望んでいたから…？』
「それも違う。あいつらが勝手に望んでるだけだ」
『だったら、なんで……』
リヴァイは動揺して行き場を失っている私の右手を取って軽く握った。
「お前が好きだからだ」
ずっと伝えたくても言えなかったその言葉。
もし言ってもらえたら…なんて思ってもいなかったのに。
『……私も、好き…』
握られた手を握り返す。心につかえていたものがスッと消え、想いを素直に打ち明けられた。
『私も兵長が…リヴァイさんが大好き…！』
「ああ、知ってる」
『だから、ずっと一緒にいたい…一生そばにいさせてほしい！』
「当たり前だ。お前の方こそ、俺から離れるなよ」
離れるわけない。ずっとそばにいたいと何年も前から思っていたのだから。
リヴァイはゆっくりと車椅子から降りて立ち、私の頬に手を添えて壊れ物を扱うような手つきでそっと撫でた。
「そのまま目閉じてじっとしてろ」
言われた通りに目を閉じた。頬にあったリヴァイの手が後頭部へと移動し、ガッと掴まれる。
少し上に傾けられたと思った次の瞬間、唇に温かく柔らかい感触が伝わった。
夕日が落とす影はひとつ。
今、リヴァイとの距離はゼロセンチ…
思わずリヴァイの胸を勢いよく押して離れた。リヴァイは後ろに少しよろける。
『…っな！なに、して…』
「何って、これくらいわからないほどバカじゃねぇだろ」
『いや、だって、リヴァイさんは潔癖だから、他人の口に、キ…キスなんて…！』
「言っただろ、お前は誰よりも純粋だって。何の穢れもねぇ、綺麗な奴だ。俺は綺麗なものしか触らねぇし口にしない」
あまりのことに脳が追いつかない。心臓も痛いほど脈打っている。
「…嫌か？」
『嫌…じゃない…でも、恥ずかしい……』
「なら、これから慣れていけばいい」
リヴァイはゆっくりと車椅子に戻る。その耳が、ほんの少しだけ赤いように見えた。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
