第159話 純粋 ページ17
リヴァイに掃除機を見られてはいけない。広げていた設計図を机の端にザッと寄せて隠した。
製作中の掃除機本体は、同業者でも何を作っているのかわからないほどの状態なのでそのままにしておいた。
『お昼じゃないなら、兵長は私に何か用事ですか？』
「ああ、お前に話をしに来た。この前の続きだ」
この前とはいつのことか。途中でやめた話なんてあっただろうか。そう聞こうとするより先にリヴァイが話し始めた。
「Aは全く嘘をつかねぇし、ハンジの長ったらしい巨人の話も最後まで嫌がらずに聞いていた」
『えっと、あの…何の話ですか？全然わからないです』
「お前が誰よりも素直で純粋だって話だ」
それはこの前の年下への対応についてを相談したときに話していた内容。どうやらあの話には続きがあったらしい。
「お前の家を掃除したとき、工具を買うためにお前が必死で金を貯めているのに気がついた」
『あれ？でもエルヴィンから聞いたって…』
「エルヴィンにも聞いた、なぜ買ってやらないのかってな。エルヴィンなら溺愛するお前が頼めばすぐにでも買い与えそうなところだからな」
『それは私が、自分のお金で買うとエルヴィンに言ったからです』
「ああ、エルヴィンもそう答えた。そのとき俺は、世の中にここまで純粋なガキがいることを初めて知った」
リヴァイは地下街出身。そこでは日常的に窃盗や強請といった犯罪が横行し、嘘や裏切りなんて普通だった。
当のリヴァイも人から盗みを働いて暮らしていた。そうしないと生きていけないから。
だが地上に出てしばらくしてからのこと、リヴァイは衝撃を受けた。
恵まれた環境にいながらも、欲しい物のために懸命にお金を貯める私の純粋さに。
それは、地下街で汚れたものを多く見てきたリヴァイの目にはとても清らかに映っていた。
そこでリヴァイは私に工具を贈った。何の見返りもいらない、純粋な気持ちで。
『工具をくれた理由はわかりました。でもなんで、今になってそんな話を？』
「そのときから俺はお前を特別視している。お前の純粋さは今も変わらねぇ。今日はその全てを話すのに相応しい日だ」
車椅子を動かして私の正面に回り、リヴァイは残された灰色の瞳で真剣な眼差しを送る。
「お前に頼みがある」
リヴァイは小さく息を吸って、口を開いた。
「A、俺と結婚してくれ」
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
