第155話 弟子 ページ13
またリヴァイを怒らせないように、あれから徹夜をしたいとは言わず、夜はしっかりと寝るようにした。
もちろん今でも時間が欲しくて徹夜したいとは思っているが、それよりもリヴァイに嫌われたくない気持ちの方が大きい。
時間は有限。起きている間にできる限りのことを済ませるために、最近はファルコに手伝ってもらうことが多くなった。
今もファルコと2人、工房で新しい機械の開発を行なっている。
新型立体機動装置を作っていた時のように、何回も試作を作っては実験し、その結果から改良を繰り返していく。
掃除から逃げたいからか、ガビも一緒に手伝ってくれたこともある。しかし、この地道な作業と私の下手な説明に耐えきれず数回でリタイアした。
『ファルコはこうやって物作りするの楽しい？』
「はい。難しいけど、少しずつ完成に近づいていく過程が楽しいし、達成感を感じられます」
『そっか…』
思ったよりしっかりとしたファルコの答えに、少し前から考えていたことを恐る恐る聞いてみる。
『もし…もしファルコがよかったらなんだけど、私の…弟子にならない…？』
「え…」
驚いたファルコが私を見る。
オニャンコポンから弟子はとらないのかと聞かれたときは、そんなことは絶対にしないと思っていた。
だが、エレンと私の望む「武器のない世界」を実現するためにはやはり、この意志を引き継ぐ者が必要だと気付いた。
忍耐強く手先も器用でみるみる上達していき、自分とも気心の知れた仲であるファルコは後継者に最適だ。
『私もまだ勉強途中で説明も下手だから、弟子になるなら他の人の方が断然いいんだけど、最後一緒に戦った仲間として、私の知ってることを全部教えたい』
「で、でも俺にはAさんのような才能もないし、そもそもこんな子どもの俺が弟子だなんて…」
『技術を学ぶのに年齢は関係ないよ。子どもでも大人でも、技術に興味を持ってくれるなら私は誰にだって教える』
年齢を気にしたことはない。自分なんかファルコくらいの年齢のときにはすでに色々作りまくっていた。
『あと持論だけど、技術者にとって一番大事なのは技術を楽しむこと。ファルコは粘り強いし、素質あるよ』
「本当ですか…？」
『うん。私はファルコとも一緒に文明を復活させたい。嫌なら別に、断ってくれてもいいんだけど…』
ファルコは立ち上がり勢いよく頭を下げた。
「よろしくお願いします！」
またひとり、仲間が増えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
