第154話 天然 ページ12
リヴァイが帰ってからもテクトンから船について教えてもらい、夕食の席でも今後の計画を話し合った。
みんなが騒いで騒々しい食堂。食事をする私の隣にピークが座ってきた。
「一度振られたのにまだ未練がましくAに付きまとってるの？」
「付きまとってねぇよ。技術者同士で話すことがあるんだよ」
「へぇ、未練があるのは否定しないんだ？」
悔しそうなテクトンに対して、したり顔のピーク。この2人はいつもこんな感じで話している。
『違うの、ピークちゃん。付きまとってるのは私の方で、色々教えてもらってるだけなの』
「そんなこと見てたらわかるよ。だからAはそろそろ鈍感を卒業しないとね」
『どういう意味？』
「今日の兵長を見て何か気付かなかった？」
すでに食事を終えたリヴァイは食堂にいない。工房にいたときの様子を思い出す。
『あんまり元気なかった』
「うん、機嫌悪くてみんな怯えてた。何でだと思う？」
工房を出ていくリヴァイはこちらを見ることもなく冷たい声。その前の会話を振り返ってみる。
『たぶん、私のせい。私が兵長を怒らせたからだ…』
「ようやく気付いたみたいね。それならAがこれからしないといけないことは、わかってるよね？」
肩を落とす私を慰めるようにピークは頭を撫でる。
『うん。ちゃんと寝て休むようにする』
「…え？」
『私が、徹夜したいなんて我儘言ったから…兵長を困らせちゃった…』
頭に置かれていたピークの手が離れた。テクトンも口を開いて固まっている。
「それ…本気で言ってるの…？」
戸惑いながら頷く。
2人の反応は今まで何度も見てきたものだ。また妙なことを言ってしまったのかもしれない。
「鈍感と言うか天然と言うか…まさかここまでとはね」
『ごめん…何か変なこと言ってたら教えて？』
「どこも変じゃないよ。私はAのそういうところ好きだから気にしないで」
さらに落ち込む私の背中をさすりながら、ピークはテクトンに目を向けた。
「てことで、Aの天然さは変わらないから、あなたがAに近寄らないようにして」
「しょうがねぇだろ、同じ班で同じ仕事してんだから」
「兵長が機嫌悪い理由わかってるでしょ？」
「ああ、俺に対する睨みが尋常じゃねぇ。まぁ俺も、未練がないわけじゃねぇけどな…」
リヴァイからの背筋の凍るような視線。それが向けられているのは、テクトンただ一人だけだった。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
