第153話 齟齬 ページ11
エレンの話をした日からファルコがたまに手伝ってくれるようになり、予定よりも早く写真機が完成した。
次は掃除機…といきたいところだが、他にも作りたいものが山ほど浮かんできてなかなか進まない。
『もっと時間が欲しいので、徹夜したいです』
工房で車椅子の整備と改良をしながらリヴァイに訴えかける。もちろん掃除機のことは伏せて。
「徹夜してまた体調崩してでもみろ、余計に作業効率落ちるだろうが。お前の好きな合理性に欠ける」
『でも…もっと色んなもの作りたいです…』
リヴァイは昔から事あるごとに「寝ろ」や「休め」と言って私に徹夜をさせてくれない。
やはりまだ子どもだと思われているのか。もう19歳、もうすぐ20になるのに。
「自分から徹夜したいとか正気か？どんだけ作りたいものあるんだよ」
同じく工房に用事があって来ていたテクトンが呆れたように言った。同じ技術者同士でも、私の創作意欲は理解できないらしい。
一番作りたいものは車。鉄道はあるから飛行船や飛行艇を造ってみたい。
今まで作ってきた写真機やタイプライターなども、電気を使って進化させたい。
『それから、船を造りたい。作ったものをその船に乗せてパラディ島に帰りたい』
「島はイェーガー派で溢れてる。俺たちの居場所はねぇだろうが、それでも帰りたいのか？」
『はい。早く、エルヴィンに会いたいです』
エルヴィンの墓に行って、自分は元気に暮らしていることを伝えたい。やりたいことが多すぎる。
「んじゃ、船造るか。蒸気船で車を積めるぐらいのデカいやつを」
『造り方知ってるんですか？』
「俺を誰だと思ってんだ？マーレで軍艦を設計したことくらいある」
テクトンは得意げに口角を上げた。
こういう時、やはりこの人はマーレでも優秀だったんだと実感させられる。とても頼もしい。
「竣工まで最低でも1年はかかる。船は俺がやるから、Aは車とか他のモン作っとけ」
『いや、私もやります。というかやりたいです。造り方を知りたいです。教えてください』
「その台詞聞き飽きた。ヒィズルから教わってねぇのか？」
船について話す私とテクトンを他所に、リヴァイは整備が終わった車椅子に座ってドアに向かった。
『あれ？兵長はもう帰るんですか？』
「ガキ共が真面目に掃除してるか確認する」
いつもより冷徹な声。リヴァイはこちらに背を向けたまま自ら車椅子を動かして工房を出て行った。
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わたがし(プロフ) - moguさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！好みに合っていたようで光栄です！この作品を書いた甲斐がありました。尺の都合で省略した箇所を集めたスピンオフ的なものを作る予定なので、楽しみにお待ちください！ (3月17日 20時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 最後までお付き合いありがとうございました！いつも温かいお言葉を送っていただいて、本当に、心の底から感謝しています！読者様のおかげで最後まで続けられました。進撃にハマるきっかけとなることができて嬉しく思います！ボードにも感想ありがとうございました！ (3月17日 18時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
mogu(プロフ) - 作者様、キャラ設定もストーリーも好みドンピシャ過ぎて、正直完結がとても寂しいですが、更新本当にお疲れ様でした！小説の内容をより理解する為アニメを全話見返し繰り返し読ませていただくほどこの作品が大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (3月17日 18時) (レス) @page43 id: 22906dc04b (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 更新お疲れ様でした！物凄く感動しました！主人公ちゃんの純粋で真っ直ぐな思いがリヴァイさんの心を動かしていたことに感動して思わず泣きそうになりました！この作品を読んで進撃の巨人が更に好きになる切っ掛けになりました！最後に、これからも応援させて頂きます。 (3月15日 21時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
LIVI,LOVE - 作者様、私の作品作り始めましての設定だけ投稿しました！作者名は『コットンキャンディー』です！作品名は『兵士長の双子の妹も最強でした、、、』です！これから、アニメとマンガを見つつ、お話し作っていきます！ (3月2日 11時) (レス) id: 7441eb7b04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2024年1月21日 10時
