【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ5)

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第99話　恋愛ページ5

テクトンは私をじっと見つめ、捉えて離さない。

「なぁ、俺と一緒にこの島の技術を発展させないか⁉︎俺とAなら何だって作れる！もうマーレなんてどうでもいい。俺はここで、お前と技術を高めていきたい！」

真剣に訴えかけるテクトンに、何と返事をしたらいいかわからず目を伏せる。

『……私は、友達からよく鈍感だと言われます。自分でもそう思ってる。だから、テクトンさんの言う《好き》がよくわかりません』

「《好き》がわからない…？」

『はい…私もテクトンさんのことは好きです。でも、あなたの言う《好き》とは、少し違う気がします…』

上目でチラリとテクトンを見た。

「俺が言う《好き》ってのは、恋愛的な意味での好きだ」

『恋愛的…それはどういう気持ちなんですか？』

「どういうって…その人と一緒にいたいとか、もっと知りたいとか、あとは…独占したい、とか」

『…じゃあ、恋愛的に好きなら、何をしたいんですか？』

「別に何もしなくていい。ただ隣にいるだけで幸せなんだよ」

全て当てはまる。自分の中でずっと疑問に思っていたことの点と点が結ばれ繋がっていった。

あれが「恋愛」という感情だったのか。

『テクトンさんの言う恋愛的な意味での好きがそれなら、私にも…そう思える人がいます…』

「……じゃあ、お前はそいつが好きなんだな…恋愛対象として…」

『…そう…みたいです…』

テクトンは唇を噛んで俯いた。その姿を見ていると、自然と目から涙が溢れ落ちる。

「は⁉︎何でお前が泣いてんだよ…⁉︎」

『……私のこと…真剣に見てくれていたのに…ごめんなさい……』

私のことを褒めてくれた。祖国を捨ててまでこの島を発展させたいと言ってくれた。

そんな彼を傷つけてしまった申し訳なさが溢れ出してくる。

「…泣きたいのは…こっちの方だぜ……」

料理を一口食べたテクトンの口の中には、海の味が広がった。

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《現在公開可能な情報》

No.38

マーレは敵が多く、巨人兵器の他に敵国よりも優れた兵器を作った者が優秀とされている。テクトンはそういった環境で育ったため、技術者同士でも名誉を争い技術力は競うものだと思っていた。

一方、Aは壁内という閉鎖的な空間で育ち、人類の共通の敵である巨人を倒すために、技術は共に高め合うものと認識している。

もし2人が逆の環境に生まれていたら、2人の性格は変わっていたのかもしれない。