【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ40)

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第134話　衝突ページ40

《お前らが世界の自由を守るのも自由、俺が進み続けるのも自由。互いに曲げられぬ信念があるかぎり俺たちは衝突する。》

また光の方へと視線を戻すと、子ども姿のエレンの横にもう一人誰かが立っていた。

《俺たちがやることはただひとつ、戦え…》

「そんな…じゃあ何で、僕らをここに呼んだんだよ⁉︎」

《話し合いは必要ないと、話すため。俺を止めたいのなら、俺の息の根を止めてみろ。お前らは自由だ…》

アルミンの問いかけにエレンが答えたあと、目の前が白く光り、飛行艇の機内へと戻された。

エレンとの交渉はできそうにない。地鳴らしを止めるためにはどうしてもエレンを殺さなければならないようだ。

皆はその事実に絶望している。チラリとミカサを見た。ミカサは床に手をつき今にも泣きそうなほど苦しい顔をしている。

どこまでも私たちを突き放すエレン。エレンの目的は本当に地鳴らしで世界を平らにすることなのか。それがエレンの求める自由なのだろうか。

ーーーーーーーーーー

エレンが向かう先はスラトア要塞。そこには飛行艇の研究基地があり、始祖に攻撃できる兵器が揃っているためエレンはそれを潰しに向かっている。イェレナはそう予想していた。

飛行艇もそれを追う形でスラトア要塞へと向かっている。だが、燃料を半分しか入れることができず、目的地まであと少しというところで燃料が切れてしまった。

オニャンコポンが必死で舵を取るも、機体は今にも墜落しそうなほど不安定に揺れている。

いつでも飛び降りる準備はできている。オニャンコポンは始祖の真上まで舵を取り、その後自分は不時着すると言う。

「避けて！オニャンコポン！」

前から大きな岩が飛んできた。機体が左へと傾き、壁に身体を打ちつけられる。あの岩の投げ方は…

「いやがるな、獣のクソ野郎が！」

「探す手間が省けた！攻撃目標は獣の巨人！これに全ての力を用いて撃滅！地鳴らしを食い止める！」

今だ、とオニャンコポンが合図を出した。

アルミンが扉を開けて飛び降り、それに続くようにみんなが飛び降りていく。

『行くよ。しっかり掴まってて』

立体機動を使えないピークを背中に背負い、みんなに続いて飛行艇から飛び降りた。ピークは片手に爆弾を掴んでいる。

飛んでくる岩を避けながら始祖に近づき、ピークは私に爆弾を渡してから背中を離れて巨人化。

受け取った爆弾を車力の体に巻き付け、始祖の背中から伸びる骨へと降り立った。