【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ35)

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第129話　恋話ページ35

不機嫌そうに帰っていったテクトンからピークへと視線を移した。

『文明の話は、女同士の大事な会話とは思えないけど』

「男を追い払うにはそうやって言うのが一番でしょ？私はまだAと2人で話したかったの」

自分と話したいだなんて、ピークから興味を持たれたのは本当らしい。

「彼とは仲良いの？」

『うん、同じ技術者仲間だからね。写真機とか、他にもマーレの技術を色々と教えてもらった』

「えっ⁉︎」

ピークは声を出して驚いた。

どういうことかと聞くと、テクトンはかなりプライドが高く、人に物を教えるなんてことは今まで聞いたことがなかったらしい。

「さっきも話したそうにしてたし、だいぶ気に入られてるみたいね。そっちの兵長が嫉妬しないか心配」

『なんで兵長？』

「なんでって、2人は付き合ってるんじゃないの？」

顔に熱が集まる。昔は何ともなかったのに、リヴァイが好きだと自覚してからはこの話題になると恥ずかしさが湧き上がってくる。

『ち、違うよ…！ただの私の片思い。兵長は私の兄に忠誠を誓ってたらしいから、その妹の私を気にかけて色々面倒見てくれてるだけ…』

「でも、最強と謳われる兵長が食べさせてもらうなんて、ただの妹としか思ってない人にはやらせないと思うよ」

『…そう、なの…？』

「向こうもあなたのこと好意的に思ってるんじゃない？一人の女として」

自分はリヴァイの笑顔が見たくてずっとそばにいたいと思っている。でも、リヴァイの気持ちを深く考えたことはなかった。

嫌われていることはないが、単にエルヴィンの妹として見られているのか、それともピークの言う通り、リヴァイも自分と同じ気持ちなのか…

鈍感な自分にリヴァイの気持ちはわからない。ただでさえ表情が読み取りにくい人なんだから。

ならばやはり、早くこの気持ちを自分から伝えるべきなのだろうか。

「私はAと兵長のこと応援してるからね」

『ありがとう。でも、まずはお互いに生き残らないと…』

この世界は残酷だ。これから地鳴らしを止めるためにまた激しい戦いが待っているかもしれない。

そこではもう誰も失いたくない。

そう思いながら、澄んだ青空に飛んでいく鳥を眺めた。

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No.44

車力の重機関銃を開発したのはテクトンだった。なのでピークとテクトンは知り合い。この事実にAは驚愕した。