【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ33)

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第127話　因果ページ33

オディハに着くまでにはまだまだ時間がある。

船のシャワーで返り血を落としてから、置いてあった対巨人ライフルの改造に取りかかった。

完成したライフルを持ってファルコのいる船室に来た。ファルコはマガトやレベリオの家族のことを嘆き、そばでピークとガビも落胆している。

『……お取り込み中、失礼します…』

先程は共に戦ったが、ほとんど話したことのない3人。不思議そうな顔でこちらを見ている。

『対巨人ライフルに雷槍の原理を加えて威力を上げました。もし何かあった時のために、ガビにこれで巨人を撃ってもらおうと思って…』

「私に？」

『うん。さっき船の上からフロックを狙撃したのはガビだって聞いた。その射撃の腕がなんだか、私の友達に似てる気がしてね』

あの距離から正確に狙撃ができるのは自分の知る限りサシャだけ。

何の因果だろうか、そのサシャを撃ったガビがなぜかサシャを彷彿とさせる。

『もう戦いたくないっていうなら、強制はしないけど…一応、置いときますね』

ドアの横にライフルを立てかけて部屋を出た。

もうレベリオが地鳴らしで壊滅しているなら、彼らが地鳴らしを止める理由はどこにもない。無理して戦わせることはできない。

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船室にて、Aの置いていったライフルをガビは手に取って眺めていた。

「すごい…まだ船が出て少ししか経ってないのに、こんなに改造できるなんて」

「彼女はパラディ島でも群を抜いた技術者なんだって。さっきも戦う前に色々いじってたしね」

「へぇ、技術者って感じはしませんでしたけど…」

ピークは立ち上がりドアへと向かった。

「どこ行くんですか？」

「ちょっとあの子とお話してみたくなってね」

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船の欄干にもたれて海を眺める。先程までの激しい戦闘が嘘のように穏やかな風が流れている。

ふと隣に人の気配を感じた。顔を向けると、そこにいたのはピークだった。

「さっきはありがとうね。おかげで助かった」

『さっきとは、いつのことでしょうか？』

「私の背中に乗って雷槍を撃ってくれたでしょ？あなたがいなかったら逃げきれなかった。なんだかパンツァー隊を思い出しちゃったなぁ」

『どういたしまして』

ピークは笑顔で、共に戦った仲間だから敬語はいらないと言ってくれた。