第125話 決別 ページ31
屋根の上の敵を倒していると、イェーガー派の指揮をとっているフロックに出会した。
「なっ、A⁉︎なんでAまで島を裏切って…」
『別に裏切ってるわけじゃないんだけど』
「いや、だって俺たちの仲間になれば大好きな技術でこの島を発展させられるんだぞ⁉︎安全な暮らしだってできる！」
『この島はもちろん大事だよ。でも、私にとって世界の文明も同じくらい大事』
「なんで、そこまでして…」
『ごめん、フロック。私は脳みそまで機械でできてる機械バカだから、世界の文明が滅びるのを黙って見てることはできない』
悲しそうに唇を噛んだフロックはそのまま仲間の元へと飛んで行った。私のことは殺さないのか。
屋上に行き、ハンジとミカサと合流した。
山の向こうに機関車が走ってくるのが見える。イェーガー派の増援が来たのだ。
絶望的状況。増援を食い止めなければここで全滅してしまう。
と思ったその時、機関車が爆発した。ひとまず増援は食い止められたが、一体誰が爆破させたのかわからない。
雷槍を多く撃ち込まれたせいで、鎧の硬質化は剥がれ、女型の頭部は千切れ落ちた。
そこへ建物下から車力が乱入。今度は車力へと雷槍が集中する。
立体機動で車力の背中へと移動した。投げられる雷槍を拳銃で撃ち、車力に当たる前に爆発させる。ここで巨人を失えば終わりだ。
走る車力の背中にしがみつきながら拳銃を撃っていると、突然、空から雷が落ちたような衝撃が走った。
現れたのは顎の巨人。ファルコだ。
顎は鋭い爪を振り回し、イェーガー派の兵士を蹴散らしていく。敵の連携が崩れた。
形勢逆転に焦るフロックは車力の攻撃をかわし、船へと雷槍を向けた。船底に穴を空けられる。
もうだめだと思った刹那、船上からの狙撃により雷槍の軌道は外れ、フロックも海へと落ちていった。
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No.42
逃げながら船に乗り込むヒィズルの技術者たちは、刃と拳銃で敵を倒していくAの姿に困惑していた。
「あれがAちゃん？普段の大人しい感じとは全然違うな」
「机に向かってる姿しか見たことなかったからな。あんなに動ける子だったとは驚いた」
同じようにAを見ていたテクトンはライフルを構えながらニヤリと笑みを浮かべた。
「クッソ、Aのヤツ。これ以上惚れさせんなよ！」
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年12月14日 17時
