第124話 援護 ページ30
まず、アルミンとコニーが馬で出て行き、飛行艇を飛ばすようフロックに頼む。こちらの目的を悟られないように。
その間に、雷槍を知らないアニに注意を促した。
『ライナーの鎧も砕ける威力があるから、アニの女型は食らったら一撃で破壊される。だからなるべく硬質化を使いながら戦って』
「わかった。ところで、あんたの装備は随分と変わってるね」
イェーガー派と戦うと決まってから、対人用にさらに改造をした立体機動装置。右手に拳銃、左手にブレードを装備し、背中にはライフルを背負っている。
『遠近両方に対応するにはこれが一番合理的だから。それに、持てる武器は多い方がいいかと思って』
「多けりゃいいってもんじゃないでしょ。いきなりそれを使いこなせるの？」
『できるよ。自分が作ったものは、自分が一番よく知ってる』
その時、アズマビトの屋敷から銃声が鳴った。すぐにミカサが向かい、アズマビトを屋敷の地下へと誘導する。
自分はライナーとアニが巨人化するのを見送ってから屋敷の屋上へと移動し雷槍を奪う。
兵士の喉を切り頭を撃ち抜く。死にゆく兵士の顔なんて知らない。返り血が付こうともお構いなしに、力に任せて殺していった。
そこへミカサがやってきて戦いながら伝言を伝えた。
「A！作戦変更！船で離脱し、大陸で飛行艇を整備する。アズマビトの援護をお願い！」
『了解！』
雷槍を奪い、地下から出てきたアズマビトの援護に回る。最後尾を走るマガトに雷槍を預けて、屋根の上から撃ってくる兵士にライフルで撃ち返す。
雷槍がアズマビトへと投げられた。
『それは、人に向けて使うものじゃない！』
叫びながら咄嗟にブレードを投げ雷槍に当てる。雷槍の軌道をずらして爆発させた。
アズマビトを守るように、立体機動で飛び回る敵をライフルで撃っていく。
「A⁉︎」
名前を呼ばれて振り返ると驚いた顔のテクトンがいた。
「お前、行方不明って…」
『すみません、説明はあとで。早く船に乗ってください』
話しながらも敵を撃っていく。それを見ていたテクトンは私からライフルを奪った。
「貸せ！ここは俺に任せろ！」
『あ、でも…』
「俺だって兵士だ。これくらい戦える！」
テクトンはマーレの兵士。彼だって戦闘訓練は積んでいるはず。
『ヒィズルの人たちを頼みます！』
ライフルの弾が入ったケースをテクトンに押し付け、立体機動に移って屋根の敵を倒しに行った。
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年12月14日 17時
