【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ26)

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第120話　元帥ページ26

義勇兵のイェレナを生きたまま確保することを条件にマーレの残党と手を組んだ。

ハンジはアルミンたちにもこれを知らせるため、車力の継承者・ピークと共にトロスト区へと向かった。

そして自分は、マーレ軍元帥のマガトと森の中で待機しているのだが…

気まずい。とても気まずい。

元から人見知りな性格もあり、初対面の、それも数刻前まで敵だった男と2人でいるなんてとても耐えられない。

正確にはリヴァイもいるが、寝ているのでいないのと同じ。

焚き火を挟んだ向かいにいるマガトはまだ信用していないのか、こちらをじっと監視している。

気を紛らわせるため、新型の立体機動装置を分解していく。これは殺したイェーガー派の兵士から奪ったものだ。

「何をしている？」

突然話しかけられビクッと肩を揺らす。

『……分解…してます…』

「見ればわかる。なぜわざわざ分解するんだ？」

『…一度全てバラバラにして…部品を集めようと…思ってます……何かに、使えるかもしれないので…』

「そんなことができるのか？」

『…はい…これは私が開発したものなので…』

「お前、だったのか…」

マガトは自分を知っているような口振りで言った。

「レベリオ襲撃後に残された装置を回収して調べた。その時にブラウンが、これを作ったのはあの技術者に違いないと言っていた」

『ブラウン…？ライナーのことですか？』

「そうだ。あの技術者なら数分で装置を改造できてしまうとブラウンは言っていたが、それはお前のことだったのだな」

ライナーとは調査兵団に入ってから一ヶ月ほどの付き合いだった。

あまり話したことはなかったが、頻繁に装置の改造をしている姿を見られていたようだ。

「その歳で技術者をやって、島ではさぞ持て囃されているのだろうな」

『そういうのは興味ないです。私はただ技術が好きなだけ…国とか関係なく、全ての技術が好きなだけです』

「そうか、なら残念だったな。今まさに地鳴らしで世界の文明が消え去ろうとしている」

『…文明が…消える……』

胸の騒めきを覚え、思わず復唱する。

それからは会話はなく、お互い何も話さないまま時間が過ぎていった。

夜が明けた頃、ハンジが戻ってきた。

今日の夕方、イェーガー派がイェレナとオニャンコポンの処刑をするらしく、ジャンの合図で車力がそこに乱入。3人を奪って逃走する。その隙に反対側からミカサたちが馬車で移動する、という計画が立てられた。