【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ19)

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第113話　奮闘ページ19

テントからありったけの雷槍を持ち出して背負い、襲いかかってくる巨人から立体機動で逃げる。

少し離れた場所でリヴァイが巨人化した仲間を斬っているのが見えた。

『兵長！これは、どういうことですか⁉︎』

「あのワインにジークの脊髄液が仕込まれていた！巨人化してねぇのは俺たちだけだ！」

『そんな…！体が硬直するはずじゃ…』

「あいつのついた嘘だったんだろ！」

『それで、ジークは⁉︎』

「どっかに逃がしちまった。この数じゃ追いかけられねぇ！」

リヴァイは歯を食いしばりながらうなじを斬っていく。巨人になったとはいえ、ついさっきまで話していた部下を殺すなんて辛いに決まっている。

でもやらないとジークを追いかけられない。覚悟を決めなければ…

『兵長！これを！』

持ってきた雷槍を何本かリヴァイに投げて渡した。

『ここは私に任せてください！兵長はジークの方に！』

「何言ってる⁉︎こいつらは動きが普通じゃねぇ！それにこの数だ。お前一人で倒せるのか⁉︎」

『できます！私だって、アッカーマンですから！』

物凄い速さで木を登ってきた巨人の目を潰し、うなじを削ぎ落とした。

『それに、獣を倒すのは兵長！あなたです！エルヴィンとの約束、果たしてください！』

リヴァイは一瞬目を見開く。すぐさま雷槍を腕に装着し、私に背を向けて言った。

「ここは任せた！絶対に死ぬなよ！」

言い終わると同時にリヴァイはジークの方へと飛んで行った。自分はその援護をする。

『兵長も、どうかご無事で！』

リヴァイを見送ってから一人、木の枝に立ち巨人たちを上から眺める。刃を持つ手が震えて止まらない。

大丈夫。一人で戦うなんて初めてだけど、自分にだってアッカーマンの血が流れている。

エルヴィンを助けたあの時のように、力に任せて動いたらいい。

それと、巨人化した時点で仲間はほぼ死んだも同然。これは介錯だと思えばいいだけ。

大きく深呼吸をしてから巨人の群れの中へと飛び込んだ。

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刃と雷槍で巨人を全て倒した後、リヴァイの向かった方へと飛んでいく。

蒸気が出ている獣の残骸の手前でリヴァイを発見した。左手にはジークの頭を掴んで引きずっている。

息も切れ切れに地面に着地し、リヴァイの足元へと倒れ込んだ。

『……兵長…全員、倒しました…』

「…よくやった、A……」

リヴァイは涙と返り血でボロボロになった私の顔をそっと拭ってくれた。