【進撃の巨人】調査兵団の天才技術者 Vol.3 (ページ13)

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第107話　作戦ページ13

皆に作戦を簡潔に説明した。

重機関銃は4つあり、それぞれ車力の四方を守っている。4つの座席は180度回転するが、同方向に撃てるのは3つまで。残りの1つはその反対側しか攻撃できない。

そこで、攻撃を一箇所に集中させ、攻撃に参加できない反対側の1つを操作している兵士を狙撃して倒す。

動揺したところを上か下から雷槍で撃つ。その後、体勢が崩れたら全身に雷槍を撃ち込む。

『狙撃はサシャに任せる。最初の雷槍はジャンが撃って』

「それはいいけど、お前はどうするんだ？」

『私は囮になって攻撃を集中させる。みんなも…ついて来て…』

皆は大きく返事をした。できれば仲間を囮には使いたくない。でも、一人では囮になれない。人数が必要だ。

「ヤツみたいな作戦考えるじゃねぇか」

『＂みたいな＂じゃなくて、参考にしました。エルヴィンならきっと、こんな作戦を思いつくから』

この作戦は、4年前のウォール・マリア奪還作戦でエルヴィンが考え出した獣を仕留める作戦を真似した。

そして、自分は先陣を切って仲間を率いる。エルヴィンと同じだ。

「獣は俺がやる。A、車力は任せたぞ！」

『了解です！』

リヴァイは獣の方へと、自分は仲間を率いて車力の後方へと同時に飛び出す。

『機関銃の射角からして、真上には攻撃できない。なるべく上の方を飛んで！』

仲間に指示を出す。上を飛ぶと弾は当たらないが、アンカーを刺せる立体物もない。弾を避けながら体勢を立て直す必要がある。

リヴァイが獣のうなじを斬り爆弾で爆発させた。顎も車力も動揺している。

車力の後方を飛び回り、攻撃を後ろへと集中させる。暗くて弾の出る位置がわからず、避けるだけで精一杯だ。

その隙に物陰からサシャが狙撃。車力の頭上にいる兵士の頭を撃ち抜いた。

仲間を殺された車力がサシャへと襲いかかる。

「あの時はどうも！」

下からジャンが飛び出し、車力の左目をめがけて雷槍を撃った。激しく爆発し、車力の顔を覆っていた盾が外れる。

「今だ撃て！撃ちまくれ！」

車力の真上から一斉に雷槍を撃ち込む。重機関銃からは火が上がり車力は手足が千切れながら地面へと落ちていった。

止めを刺そうとするも、車力の本体を守っているマーレ兵の鉄砲に邪魔される。

「ダメだ！距離を取れ！」

一旦屋上に退避した。もうすぐ《時間》だ。

しばらくすると、明かりをつけた道の向こう側から大きな船がゆっくりと飛んできた。飛行船だ。