第94話 仲間 ページ50
キヨミからヒィズルの技術者を紹介され、少しずつ技術を教えてもらった。
ヒィズルの技術はマーレよりもさらに上を行くもので、聞いているだけでワクワクしてしまう。
いつかヒィズル国に行って、実際に自分の目で見てみたい。
ヒィズルから技術を学びつつ、一方では新型の立体機動装置の開発も進めている。
今日もリヴァイと2人で試作品の実験をしている。そこへテクトンが資材を持ってやって来た。
「頼まれてた材料、オニャンコポンが持って行けって言うからわざわざ持って来てやった。ありがたく受け取れ」
『ありがとうございます』
「A、誰だこの上から目線の失礼な野郎は？」
リヴァイはテクトンを睨みながら言った。
『マーレの技術者で私が一番最初に仲良くなった方です。写真機の作り方も教えてくれました』
「俺はお前と仲良くなった覚えはねぇし」
『あ、ライバルでしたっけ？』
「技術者としてのプライドのカケラも持ってねぇお前はライバルなんかじゃねぇよ」
「おいお前、今の言葉は聞き捨てならねぇな」
テクトンの前へと一歩出たリヴァイはさらに睨みをきかせる。テクトンは少し怖気づいて後ずさった。
「Aにプライドがねぇだと？俺たちが巨人を倒し壁の外を出歩けるようになったのはなぜだと思う？Aが熱意を持って技術の発展に貢献したからだ。まぁ、この島に来て1年ちょっとのお前にはわからねぇだろうがな」
「…いや、わかる。同じ技術者だからこそ、こいつがどれだけの偉業を成してるのかよくわかる」
「さっきと言ってることが噛み合わねぇぞ」
「こいつは自慢とか傲慢とかの無駄なプライドを持ってねぇ。単純に技術を楽しんでるだけだ。俺がライバルと呼んでいい奴じゃねぇ」
テクトンは私をチラリと見た。
「癪だけど、お前を一番の技術者だって認めてやるよ…」
ばつが悪そうに言うテクトン。そういえば、一番とは認めないって言われたっけ。
『ありがとうございます。テクトンさんも私が知らない技術をたくさん知ってる優秀な方なので、ライバルのままでいいですよ』
「いや、ライバルじゃねぇよ。同じ兵士であり技術者でもある、仲間…なんだろ…？」
テクトンは無言で右手を差し出した。生まれ育った環境は違えど、同じ志を持つ者同士は仲間。競い合うライバルではない。
こちらも手を出し握手を交わす。自らの力で手に入れた、この島以外でできた初めての仲間だ。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
