第84話 捕虜 ページ40
ある夜、調査兵団は海に向かった。
そこで海の向こうからやって来る敵の船を捕まえ、捕虜から敵の情報を聞き出すという作戦だ。
グリシャ氏の手記によると、我々が今いる場所はパラディ島という島で、やって来る敵はマーレという国らしい。
島や国が何なのかはよくわからない。それは壁内という閉鎖的な所にいたから仕方がないとアルミンは言っていた。
海辺の岩場に隠れていると、暗い海の向こう側から大きな一隻の船が近づいてきた。
それを巨人化したエレンが担ぎ上げて岩場に放り込み、船から慌てて出てきた人々に銃を向ける。
後ろに巨人化エレンがいることもあり、降参した人々を捕虜として拘束。そして収容所に閉じ込めた。
次の日、マーレ人捕虜のニコロを連れて昨日と同じことをした。
「マーレの皆さんこんにちは！パラディ島へようこそ！」
ハンジが船に向かって挨拶し、その後ろでリヴァイがニコロの背中に刃を押し当てている。
マーレ人は我々と話す気はないらしく、ハンジに向かって銃を向けた。その時、船上にいた1人のマーレ兵士が仲間の頭を撃ち抜いた。
「ハンジさん、お招きいただき光栄です。お茶、しましょう」
その兵士はイェレナという女兵士で、彼女はマーレを裏切る義勇兵だった。そして目的は我々エルディア人の解放。
イェレナたち義勇兵を率いているのは、獣の巨人であるジーク・イェーガーという人物で、なんとエレンの異母兄弟だった。
獣の巨人は過去にラガコ村の住民を巨人にし、調査兵団を壊滅寸前にまで追いやった。エルヴィンに致命傷を与えた張本人でもある。
そんな反マーレ派義勇兵を信用してもいいのかわからない。
だが、義勇兵は「無線通信」を使って、次々やって来るマーレの調査船から島を守ってくれると言う。
その「無線通信」が何なのか気になり、技術者と思われる捕虜の1人に勇気を出して話しかけてみた。
『あ、あの、すみません。無線通信…って、どういうものなんですか？』
「は？誰が穢れた血なんかに教えるかよ」
睨まれながら冷たい言葉を浴びせられ少し怖気付いてしまう。
マーレ人からすると、ここは悪魔の島で我々は悪魔の末裔。穢れた血と言われても仕方がない。
それでもやっぱり、幼少の頃から変わらぬ知りたいという探究心は抑えられない。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
