第82話 商売 ページ38
残りの貯金をほとんど使って新たな道具を完成させた。これは絶対にお金を稼げる自信がある。
完成品を持ってハンジのいる執務室に来た。ちょうどリヴァイも来ていたようで好都合だ。
『新しい機械を開発しました』
「あれ？写真を作ってたんじゃなかったの？」
『ちょっと問題が発生して一旦中断してます。その間にこれを作りました』
机に完成品を置き、ハンジとリヴァイにこれがどういうものか実際に使って説明した。
手前には一文字が書かれたボタンのようなものが並んでおり、それぞれ奥でインクを染み込ませた活字の形をした先端と繋がっている。
機械に紙を差し込み、指で文字盤を押すとテコの原理で押した文字が紙に印字され、これを繰り返すと文章を打ち込むことができる。
「なるほどな、これを使えばわざわざ自分で文字を書かなくてもすむってわけか」
「す、すごい！これは画期的な大発明だよ！指でタイプして文章を書くから、タイプライターと名付けよう！」
班長になってから書類仕事が増え、報告書などを全て手書きで書くのが面倒だった。
そこで、活版印刷の仕組みを元にこのタイプライターを思いついた。
「私は字が汚くて読めないって言われるから助かるよ。ありがとね」
『あ、これは私のものなのであげられません』
「え？使わせてくれるんじゃないの？」
『もちろんハンジさんや兵長にも使ってもらいたくて持ってきました。でも、使うなら使用料をいただきます』
「Aからレンタルして使うってことね」
「金を取るなんて、Aらしくねぇやり方だな。誰の入れ知恵だ？」
物を作って売るというのはエレン、レンタル制にすればいいというのはアルミンからの提案。
本当は何個も作って売る予定だったが、費用的に一つ作るだけで精一杯だった。
「なぜそんなに金が欲しい？まさか写真開発に全財産使ったんじゃねぇだろうな？」
『……はい、その通りです』
「正直すぎるだろ」
「まあまあ、可愛い理由じゃないか。経費で作れないのはこっちの責任でもあるわけだし」
ハンジは立ち上がりタイプライターを持ってドアに向かった。
「もっと良い稼ぎ方がある。これ、ちょっと貸してくれるかい？」
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《現在公開可能な情報》
No.33
イメージ的に現代に当てはめると、アルミンが文系、Aが理系。Aは物理・数学系のイメージ。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
