第73話 実家 ページ24
授与式が終わってから数日間、亡くなった技術班の兵士たちの実家を訪ねて回った。
まだ完治していないため、ハンジからは無理して行かなくていいと言われたが、班長としてしっかりと家族に弔いの言葉を捧げないといけない。
技術班のみんなと出会ったのは調査兵団に入団した直後。
対特定目標拘束兵器に始まり「巨人の処刑台」や雷槍など、色んなものを一緒に作ってきた。
最年少の自分を妹のように可愛がってくれて、信頼して班長にも推薦してくれた。
そして超大型巨人の爆発が起きたときも直前まで会話して一緒にいた。
ずっと一人でいた自分に誰かと協力する楽しさを教えてくれた技術班のみんなが大好き。
そう伝えると、家族はきまって「若いのに班長だなんてしっかりしている」と温かく受け入れてくれる。
同じ場所にいて爆発に巻き込まれたのに自分だけ生き残って、暴言を吐かれると思っていたからこれには拍子抜け。
それに加え、松葉杖で訪ねてきた私の心配までしてくれた。
技術班の皆の実家を全て回り終わり、最後の目的地に着いた。
そこは訓練兵に入ってから一度も帰っていない、自らが育った家。
家に入ると、母は泣いて娘の帰りを喜んだ。手紙でのやりとりはしていても、実際に顔を見ると胸に来るものがある。
エルヴィンが亡くなったことは新聞で知っていたらしい。団長として使命を全うした息子を誇りに思っていると。
そして、怪我はしていても娘が無事に生きて帰ってきてくれたことが何よりも嬉しいと言ってくれた。
エルヴィンから自分の出自について聞いたと伝えると、「あなたを本当の娘のように思っていた」と優しく抱きしめてくれた。
そんなこと言わなくても、これまで注いでくれた愛情でどれだけ大切に育ててくれたのかよくわかる。
母はどこからか一枚の紙を持ってきて渡した。そこには幸せそうに微笑む男女が描かれている。
これは実の両親の肖像画。結婚式の時に描いてもらったものらしい。
両親どちらも黒髪で自分に似ている箇所が所々ある。本当に存在していたんだと嬉しくなる。
肖像画を胸に当て、天国にいる両親に語りかけた。
『お父さん、お母さん、私に命をくれてありがとう…』
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《現在公開可能な情報》
No.31
父親譲り→顔全体、技術力、純粋な性格
母親譲り→目、アッカーマン、大人しめの性格
全体的に父親似。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
