第67話 真実 ページ18
話したいことも話せて胸のわだかまりが解けた。これでリヴァイと昔のような関係に戻れる。
リヴァイが紅茶を淹れて渡してくれた。温かく芳醇な紅茶が身体に沁み渡る。
「俺もお前に話さないとならねぇことがある。エルヴィンからの遺言だ」
『遺言…？いつの間に？』
「俺とエルヴィンが約束したときだ。まぁ、遺言というよりはエルヴィンが今までお前に隠していた真実、と言った方が正しいか」
隠していた真実…その言葉に心臓が跳ねる。
「エルヴィンはこれをお前に打ち明けると、お前が苦しむんじゃねぇかと思って今まで言わなかったらしい。」
『そんなに、衝撃的なことなんですか…？』
「ああ。Aのこれまでとこれからを否定するような内容だ。どうする？聞くか？」
『エルヴィンが私に伝えろと言ったのなら、知りたいです』
そうか、と呟きリヴァイは紅茶を一口飲んだ。
心臓の鼓動が速くなる。膝の上で両手の拳をギュッと握りしめた。
「単刀直入に言うと、Aとエルヴィンは兄妹じゃない」
思考が停止する。兄妹ではない…？私とエルヴィンが…？
「正確に言えば、お前らは血が繋がった兄妹じゃない」
『……言ってる意味が…わかりません…』
「お前の両親とエルヴィンの両親は別人。つまり、お前が今まで世話になったのは育ての親で、産みの親は別にいるってことだ」
頭をガツンと殴られたような衝撃が走る。握った拳に力が入らない。
ずっと本当の家族だと思っていた。本気でエルヴィンの妹だと思っていた。自分の兄はエルヴィンしかいないと本人にも言ったのに…
あの大好きな兄とも母とも血が繋がっていなかったなんて…
それでもこの真実は、エルヴィンとの年齢差や家族で1人だけ容姿が違うことを納得させるのには十分な材料。
少し考えたらわかることなのに、どうして今まで疑わなかったんだろう。
『…じゃあ、私の産みの親はどこに？私は、捨てられた…ってこと…？』
「いや、お前は捨てられちゃいねぇ。実の両親はAが生まれる前に殺されたらしい」
『…殺された…？誰に？どうして？それに、何でエルヴィンの親が私を育てたんですか？』
「さあな、俺も詳しくは聞いてねぇ。だが、エルヴィンから詳細は預かっている」
リヴァイは懐から封筒を取り出しAに渡した。覚悟を決めて封を開ける。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
