第50話 前夜 ページ1
奪還作戦前夜、ウォール・マリア奪還の前祝いとして夕食には肉料理が振舞われた。
滅多に食べられない肉に調査兵団の食堂は大盛り上がり。肉の争奪戦が起こっている。
騒がしい食堂から離れた一室、エルヴィンの私室では兄妹水入らずで食卓を囲んでいた。
「いいのか？同期たちと食べなくて」
『うん。みんなとは普段から一緒にいるけど、エルヴィンと2人で食事するのは久しぶりだから』
「それもそうだな。最後に一緒に食べたのはAが訓練兵に行く前だったな」
『あの時はお母さんもいたけどね』
2人は昔話や同期の話、仲間の話などをしながら食事を進めていった。
『そういえば、ハンジさんによると私は兵長の笑顔を独り占めしたいらしいよ』
「リヴァイの笑顔を？」
『そう。理由は自分で見つけろって言われたけどまだわからない』
「Aはリヴァイのことをどう思っている？」
『うーん、兵長は強くて頼りになるし面倒も見てくれて、もう一人のお兄さんみたいな感じ』
「そうか。なら、兄が俺ではなくリヴァイだったらどうだ？」
『…兵長のことは大好きだけど、実際の兄ってなるとちょっと違う気がする』
「兄が違うなら、リヴァイとはどういう関係になりたい？」
『関係って言われると難しい。でもずっと一緒にいたいって思う。上手く言い表せなくてごめん』
「構わないよ。少しだが答えには近づいてる」
エルヴィンは微笑ましそうにAを見つめている。
『やっぱり私のお兄ちゃんはエルヴィンがいい。エルヴィンも強いし優しいし大好きだよ』
「嬉しいことを言ってくれるな」
『調査兵団に入って団長をしてるエルヴィンを見てきたけど、人類の未来のために指揮してる姿がすごくかっこよかったよ』
フォークを持つエルヴィンの手が止まり、顔からは笑顔が消えた。
「…A、お前は俺が本当に人類のために戦っていると思うか？」
『いつもエルヴィンは人類のために心臓を捧げよって言ってるけど…違うの？』
「ああ、違う。俺は自分の夢のために戦っている」
エルヴィンは父との仮説や調査兵団に入ってからの心境を語った。
「そして俺は夢のためにAのことも騙し利用してきた。Aの技術があればウォール・マリアを奪還し地下室まで辿り着けると」
『…そう…なんだ…』
初めて知るエルヴィンの心境に衝撃を受けた。
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わたがし(プロフ) - レナさん» ご指摘ありがとうございます！原作第106話「義勇兵」にて、マーレの兵士が『穢れた血』と表現していましたので、それをそのまま使用しました。紛らわしくて申し訳ありません。『島の悪魔』の方がわかりやすかったですね（汗） (12月7日 12時) (
レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すごく面白いです！訂正をしていいのか分かりませんが、85話の話で出てくる穢れた血ではなく、島の悪魔なのではないでしょうか？ (12月7日 9時) (レス) @page41 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 琴さん» 最高だなんて嬉しいお言葉、ありがとうございます！不定期な更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (11月27日 14時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - もう最高に面白いです！更新頑張ってください！ (11月26日 10時) (レス) @page33 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - きぬさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、今後も楽しんでいってください！ (11月20日 17時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年11月2日 12時
