第46話 馬車 ページ47
技術班の班長に就任してから仕事が増えた。
新兵器開発の指揮はもちろん、資材の管理や発注、進捗の報告書作り、幹部会議への出席。
そして大事なのが資金集め。
兵器開発の資金は貴族からの投資を受けて賄っているため、自ら出向いて投資をお願いしなければならない。
今日はそのために正装に身をつつみ、馬車に乗って内地へと出かけた。
まだ新人で上手く交渉できないため、いつもはエルヴィンかハンジが付き添ってくれる。
あいにく今日は2人とも用事があり、珍しくリヴァイが付き添ってくれることになった。
貴族の屋敷では豪華な料理や茶菓子でもてなされ、庶民出身の自分は毎回戸惑ってしまう。
交渉は難なく進み、多額の投資をしてもらえることになった。
帰りの馬車に揺られながら、今日のことをリヴァイに話した。
『前の班長は、なかなか承諾してもらえないとか渋られたって言ってましたけど、今日の交渉もすんなり終わりましたね』
「ああ。ほとんどの時間あのジジイのつまらねぇ世間話に付き合わされたな」
『現体制に変わって、調査兵団への期待が高まってるんですね』
「お前、本気でそう思ってんのか？」
前に座るリヴァイの顔を見た。なんだか不機嫌な顔をしている。
『違うんですか？』
「あのジジイの視線に気付かなかったのか？お前を舐め回すような目で見てただろ」
視線には気付いていた。交渉に来たのが新兵だから物珍しい目で見てるんだろうと思っていたがどうやら違うらしい。
「まぁいい。Aの鈍感さは今に始まったことじゃねぇ」
『兵長まで私のこと鈍感って…』
人の感情を読み取るのは苦手。人の心は機械のように単純ではないから。
人間の複雑な心がわからなくて、何か言われてもそのままの意味で受け取ってしまうし、空気の読めない発言もしてしまう。
そういうところが鈍感と言われる理由だろう。
鈍感といえば、この前のミカサに言われた言葉を思い出した。
『兵長…』
「何だ？」
『私は兵長が大好きです。だから…』
窓の外を眺めていたリヴァイの三白眼が見開かれる。
数秒間の沈黙の後、リヴァイが口を開いた。
「……それは、意味をわかって言ってんのか？」
『え？意味って、そのままの意味ですけど』
「そうじゃねぇ。俺らはもうすぐ激しい戦いに行く。そこでは死ぬかもしれない。これらを含めてのその言葉なのか？」
リヴァイから真剣な眼差しを向けられる。
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
