第43話 班長 ページ44
新兵器の開発を進める日々を送るある日、エルヴィンから大事な話があると執務室に呼ばれた。
「突然で悪いが、Aに技術班の班長を頼みたい。やってくれるか？」
『ちょ、ちょっと待って…班長？私が？』
「そうだ。これまでの功績や実力を考えると、Aが適任だと思ってな」
『班長は実力だけで務まるものじゃない。統率力とかコミュ力とか、私は持ってないから、私には無理だよ…』
「確かに班長にとってそれらは大事な資質だ。だが、それ以上に大切なことがある。何かわかるか？」
『…わかりません』
「信頼だ。この人がいれば安心だと思うほどのな。周りからの信頼を得れば、自然と統率が取れていくもの。そしてその信頼を得るのに必要なものが実力だ」
『それは元から人柄が良い人の話じゃないの？』
「例えばリヴァイ。彼は調査兵団に入団当初、地下街出身で愛想も悪く周りからは避けられがちだった。だが立体機動の腕は天下一品。初めて巨人を倒してから誰も文句を言う者はなく、今では兵士長として絶対的な信頼を得ている」
リヴァイを例に出されても、自分にも人を黙らせるほどの実力があるのかわからない。
『私はみんなから信頼されてるのかな？』
「信頼に足る実力は十分にある。実際に新兵器開発もAが中心になって進んでいると聞いたぞ」
確かにそうだけど、やっぱり入団して数ヶ月の自分には荷が重すぎる。
「まだ何か納得いかないか？」
『…私が班長になっても、団長の妹だから贔屓されてるって、きっとみんな思うはず』
「言い忘れていたが、この件は技術班全員からの推薦、及び調査兵団内で満場一致の賛成を得ている。誰もそんなことは気にしない」
エルヴィンは机の引き出しから書類を出してAに渡した。それは現在の技術班班長からの推薦状だった。
「班長を引き受けてくれるか？」
『うん。みんなの期待を裏切らないためにも精一杯頑張る』
その日の夜、エルヴィンは調査兵団全員の前でAが技術班の新班長に就任したことを発表した。
「では、Aから何か一言もらおうか」
全員の注目が集まる。緊張しすぎて死にそう。
『…よ、よろ、よろしく、お、お願いします…』
噛み噛みの挨拶をした後、ガバッと頭を下げると大きな拍手が巻き起こった。
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
