第34話 絶望 ページ35
『…調査兵団には人類最強の兵士がいます。他にも優秀な兵士がたくさん』
「だからお前を助けに来るって？笑わせるな」
男は檻の隙間から一枚の新聞を投げ入れた。
その新聞には、調査兵団がリーブス商会会長を殺害した罪で全員に出頭命令、団長を処刑予定、と記されていた。
「人類最強のリヴァイも指名手配中でお前を探す暇なんてねぇんだよ」
新聞が手から滑り落ちる。
攫われていた間にこんなことが起こっていたなんて…それに団長を処刑って…
エルヴィンはいつでも人類の未来のために最善を尽くしてきたのに、この仕打ちはあんまりだ。
「良い案を思いついた。お前が大人しく従えば調査兵団は助けてやる。逆らえば全員殺す。どうだ？」
『…もちろん、団長の処刑も撤回されますよね…？』
「それはわからん。団長の処分を決定するのは王だからな。だがお前が従うなら撤回を進言してやってもいい」
自分の保身か調査兵団みんなの命か…そんなの、天秤にかけるまでもない。
『わかりました。作ります』
憲兵の男は満足そうにニヤリと笑った。
牢屋から出され、逃げ出さないよう両手に手錠をかけられる。
『これだけは言わせて下さい。…調査兵団をナメていたら、痛い目に遭いますよ』
「勝手にほざいてろ」
リヴァイだけではない。ハンジ、エレン、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャ…
調査兵団の仲間はみんな強い。どんなに追いつめられたって、決して憲兵には屈しない。そう信じている。
連れてこられたのは地下にある工房。調査兵団のところよりも暗くて狭い。
手錠を外した後、男に背中を押されて部屋に入れられ、バランスを崩して地面に手をついてしまう。
「くれぐれも逃げ出そうなんて考えるなよ。逃走用の道具を作ってるとわかった時点で団長の死刑を執行する。」
それだけ言うと、扉に鍵をかけてどこかに行ってしまった。
『痛い…職人は手が命なんだけどな…』
部屋には見たことのない機械や資材や置いてある。憲兵が隠し持っていたものだろう。
机に置かれた、作るべき武器の詳細が書かれた書類に目を通す。
『なるほど、今まで連れてきた技術者たちの力では無理だったから私を連れてきたってことか』
おそらく前の技術者たちは要望に応えられなくて処分された。それなら自分も殺されない保証はない。
『もう…みんなには会えないのかな…』
涙が頬を伝って机に落ちた。
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
