第33話 強制 ページ34
『…はっ、ここは⁉︎』
目が覚めるとそこは狭い牢屋の中だった。
硬いベッドに寝かされており、手足は縛られていないが手首に縄の跡が残っている。
なぜ自分は攫われたのだろう。法を犯すようなことは何もしていないのに。
個人的な理由なら憲兵は使わない。
そして殺しが目的ならあの場で殺していたはず。あえて幽閉しているのだから他に理由が？
暗くて寒い地下牢。これから何をされるのかわからず一人で膝を抱える。
『…怖い……助けて…リヴァイさん…』
頭に浮かぶのはなぜかリヴァイの顔。
今は何か大事な任務に就いているから無理だとわかっているのに、もし自分を探してくれていたら…と期待してしまう。
誰かが近づいてくる音が聞こえ、ベッドの上で身構える。
「起きたか」
やって来たのは自分を連れ去った男とは別の憲兵の男。
「A・スミス、殺されたくなかったら俺らに協力しろ」
冷たく言い放たれる言葉。突然すぎて全く意味がわからない。
「おい！何か返事しろ！」
返答に困っていると男は檻を掴んで大声で怒鳴った。
『うっ…どうして…ですか…？』
「王がお前しか作れないものをご所望だからだ。ありがたく従え」
『…それなら…わざわざここに閉じ込めなくても…私は調査兵団なので…団長に話を通していただかないと…』
「話を通せないから強制的に連れて来たんだろうが」
『…どうして…？』
「お前は調査兵団の技術の要で重宝されている。さらには団長の妹だ。調査兵団の奴らが大人しくお前を渡すと思うか？」
『…憲兵ではなく王からの直接のご依頼なら、団長も許可は出すはず…何か他に言えない理由が…あるのではないですか…？』
「はぁ…ああ言えばこう言う。これだから賢い奴は嫌なんだ」
男は呆れたようにため息を吐いた。
「お前が邪魔なんだよ。このまま調査兵団にいたらこの壁の平和が脅かされる。だがお前の技術がないと反乱分子の制御もできない」
『…つまり、反逆者を暗殺する武器を開発しろ…ということですか？』
「わかってるじゃないか。お前は殺すには惜しい才能を持ってるからな」
話を聞くかぎり、強制的に作らされるだけで殺されることはなさそう。
でも、自分が作りたいのは人類が巨人に対抗するための兵器。
人を殺す武器を作りたかったわけではない。
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
