第30話 画策 ページ31
目が覚めると知らない部屋の天井が見えた。
確かエルヴィンに義手を渡してピクシス司令らと話していた。そこまでは覚えている。
『んん…よく寝た…』
起き上がって伸びをする。こんなに熟睡できたのは久しぶりだ。
部屋を見回すと、そこがリヴァイの部屋だと気づく。
『リヴァイさんが運んでくれたのかな…』
ベッド脇には丁寧に畳まれた上着が置いてある。
突然寝てしまった自分をベッドまで運び上着まで脱がせてくれたということだろう。
『はぁ…まだまだ子どもだって思われちゃったかも…』
自分はもう調査兵団の一員で、一人の兵士として自立しなければならない。
いつまでも世話を焼いてもらうわけにもいかず、自分の幼稚さに恥ずかしくなる。
上着の胸ポケットに手紙が挟んであるのが見えた。ハンジからだ。
手紙に書かれてある日付を見るに、2日間ほど眠っていたようだ。
ベッドのシーツを綺麗に直し、周りを軽く掃除してから部屋を出た。
ハンジからの手紙には作ってほしいものがあり、それが出来上がったら指定の場所まで持ってくるよう指示が書かれていた。
シャワーを浴びてから工房に向かう。
手紙には何に使うのかは秘密と書かれており、だいたいこういう形という絵だけが描かれていた。
『使い道を教えてくれないとイメージできないんだけどな』
ハンジからの手紙は不可解なことだらけ。
指定された場所は人里離れた山小屋、手紙の内容は誰にも口外するな、読んだら手紙を燃やせ…
秘密裏に何かをしようとしているように感じる。
兵舎内にリヴァイや同期たちの姿が見えないから、きっとこの計画に荷担しているのだろう。
その日の夜、完成した物を丁寧に包み出発の準備をしているときだった。
突然工房の扉が開かれ誰かが入ってきた。入ってきたのは見知らぬ憲兵の人たち。
これは危ないと本能が告げ、咄嗟に包みを部屋に置いてある工具箱へと投げ入れた。
「A・スミスってのはお前か？」
リーダーと思われる長身の男が近づいてきた。この男だけ制服を着ておらず黒いコートに帽子をかぶっている。
『…はい、そうです…』
その男は私の顔を見るや否や驚いた表情を一瞬浮かべた。
「悪いが俺たちと来てもらう」
首に何かが刺され意識が朦朧としてくる。
薄れていく意識の中で「お前…まさかな…」と呟く男の声が聞こえた。
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
