第27話 余計 ページ28
ハンジたちと別れ、部屋の扉をノックした。
中に入るとエルヴィンとリヴァイの他にピクシス司令がいるのが見え、鞄を置いて敬礼をする。
『ひゃ、104期調査兵A・スミスです。お話し中ならまた出直します』
「いや構わんよ。お主はエルヴィンの妹君じゃったかの？家族の時間は大切じゃ。わしらはいないものと思ってくれ」
『お心遣い感謝いたします』
「A、お前今まで何してた？あんなにビービー泣き喚いてた割には、一週間ろくに見舞いにも来ねぇでずいぶんと冷てぇじゃねぇか」
『ごめんなさい。これを作っていたので』
ベッド脇の椅子に座り、鞄からあるものを取り出した。
「それは…義手…？」
取り出したのは木でできた右腕。いわゆる義手と呼ばれるもの。
「まさか、これをずっと作ってたのか？」
『うん、片腕がないのは不便だと思って。本当は金属の方がよかったけど、高いし取り寄せるのに時間がかかるから…』
エルヴィンの失われた右腕に義手を取り付けていく。
『細かい動きはできなくて、物を掴むぐらいしか動かせないけど…どうかな？』
「充分すぎるよ。ありがとう、A」
お礼を言われ嬉しさが込み上げてくる。頼まれてもいないのに勝手に作って迷惑かもしれないと心のどこかで思っていた。
『利き手がなくなって生活するの大変だと思って、仕掛けを作ったんだけど言ってもいい？』
「ああ、何だ？」
『人差し指の関節を開くとペンになってるの。中指と薬指は何もないけど、小指はスプーン、親指はフォークとして使えるよ』
部屋の中が沈黙に包まれた。
「ハハハ、これは便利な体になったな」
「いやはやこれは素晴らしい技術じゃ。噂には聞いておったがまさかここまでとはな。」
「Aに作れねぇモンはねぇからな。最後のは余計だが」
『余計⁉︎邪魔なら外すけど…どうする？』
「いやこのままでいい。ありがたく使わせてもらうよ」
エルヴィンもピクシス司令も部下の人も、みんなクスクスと笑っている。なんだか恥ずかしくなってきた。
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(義手のモデルはゴールデンカムイ二階堂の義手です。)
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はにみず(プロフ) - わたがしさん» どういたしましてです。主人公ちゃんとリヴァイ兵長の両想いが実ると良いですよね！エルヴィンの義手のイメージが、鋼の錬金術師を連想していました(笑)ちなみに私の進撃の推しはミカサとリヴァイ兵長とエルヴィンなんです(笑)無理せず更新してくださいね！ (1月22日 23時) (
レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 通勤のお供に楽しんでいただけているようで光栄です！私もこの話を書きながら読み返していたら再度どハマりしてしまいました(笑)応援とても嬉しいです！ありがとうございます！ (1月22日 19時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - わたがしさん» どうもありがとうございます。実は進撃の巨人にハマりそうになっている自分がここにいます(笑)仕事終わりに読むのがとても好きで良く行き帰りの電車の中で読んでますよ。引き続き応援してます！ (1月20日 12時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - はにみずさん» 初めまして！コメントありがとうございます！毎日だなんて嬉しすぎます！！温かいお言葉、とても励みになります！はにみず様もお身体にお気をつけてお過ごしください。 (1月20日 9時) (レス) id: 299a057106 (このIDを非表示/違反報告)
はにみず(プロフ) - 初めまして。初コメです。とても面白くて毎日読み返しています。風邪やインフルエンザが流行っているので、無理せず更新してください！応援してます！ (1月14日 9時) (レス) id: a327b3fc09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたがし | 作成日時：2023年10月2日 16時
