SPARC

悪戯……（f） ページ29

かたくなに言わない
こんな所で一人うろついてた理由

酒の力もあって
千賀が話してる

最近
ニカが北山に構いすぎるのと
北山が
満更でもなく
楽しそうにジャレ合ってるのが
癪に障って

大人げなく
北山を惑わせる気満々で
悪戯を仕掛けてた……

千賀が大好きな
二階堂だから

いつも二人でイチャイチャしてる
ニカ千コンビで
つるんでる限り

大丈夫だって思ってた

こんなに不意に
急速に二人が近付いて仕舞うなんて
大きな誤算で

俺の長い間踏み切れなかった
不甲斐なさに
腹が立つ



好きだと繰り返していた
……という北山は……


二階堂には千賀という
相手が居ることを承知で

ついに……
思いを告げたのかな……



俺は何処かで
北山は……
俺の事……好きなんじゃないかって
勝手に思ってた……

ちょっと仕掛ければ
百面相して
コロコロ変わる
そんな様子は

しっかり俺を惑わせていた
可愛くて仕方ない
可愛くて仕方ないと意地悪したくなる……

ガキの延長みたいな恋心……

まさか
こんな形で
何もしないまま
終わるなんて……

正直……
このまま。
そして少しずつ……
俺の事……
ただのシンメでも
同じグループってだけでなく
唯一無二の相手として
刷り込んで……

絡め採って
逃がさないつもりだったんだ……


酔ってる癖に
食べ終わった小皿を
危なっかしく端に片す
千賀が北山と重なって

切なくて
可愛くて仕方なく思えた

小さな粗相をして
手首に醤油散らして

ヤっちゃった！って顔見たら
少し無理してる……？

その様子は
自分の切なさに重なって……

その腕を掴んで
醤油舐めとるように手首にキスしてた……

〈ひぁ！〉
って小さな声をあげるから
なんだかソソられて
手首を持ったまま
壁に追い詰めて……

オフザケだと思ってる千賀は
〈ひゃはは！ガヤってば！くすぐったいよぅ！止めて！〉
なんて笑ってる……

黙って見つめる……

しばらくして
不思議そうに
見上げてきた瞳が
見開いて
身体がビクリッと震えた


『振られた同士で付き合うか？』


更に見開く瞳が
寂しそうに臥せていく

逃げようとしない千賀の首筋に
キスしてた……


〈くふふ……ガヤ……〉

『ん。？』

〈ダメ……みたい。くすぐったいよ……〉

更に舌を這わす

〈……ニカにね……そうされると……身体が熱くなる……ニカにね……触れられると……胸が苦しくて……泣けてくるんだ…………ガヤだと……くすぐったいだけだよ……〉

『……ひでぇ……ｸｽ』


次の瞬間星が散った！

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