SPARC

秘密基地にて(f) ページ25

店につくと
直ぐに洗面に向かう千賀の背中を
二人で見送った

〔アレは完璧ニカ絡みだなぁ……〕

『ケンカ？……珍しくね？』

千賀が来る前に
お薦めの品を
ドンドン頼み

テーブルは華やかになっていく

顔を洗って
少し落ち着いた様子の千賀に

お誕生日席を用意して

『俺らの奢りだから遠慮なしに食いな♪』

ウンウン頷く渉と俺を見て
目をキラキラさせて
可愛らしい笑顔で

〈ありがと。いただきます！〉

手を合わせてから
俺達にも小皿に取り分け
配ると

任務完了！って感じで
一人ごちて
やっと食べ始めたから

渉と二人顔を見合わせて
吹き出した

俺達の教育の賜物だね！
ジャニッ子は
目上に対して自然と教育されるんだ…
こういう気遣い……

〈え？！なに？〉

〔いや…なんか……可愛いなって〕

『泣いたカラスがもう笑った……的な？笑って、旨そうに飯食ってる方が良いよ♪本当に可愛いなぁ♪』

〔ニカも…これじゃ…たまんないね♪〕


千賀の箸が止まる

〈……ニカ……〉


みるみる瞳が潤み出し
テーブルに雨が降る……


『ちょ！？千賀？………………どした？』

〈ｸﾞｽﾞｯ……何でもない！それより！これ！どれもみんな美味しいね！ワッターもガヤも食べないと冷めちゃうよ？〉

〔健永……何か飲む？〕

『ちゃんと送ってくし…飲んじゃえ！話しもいくらでも聞くぞ？』

じっと見つめる俺の目を見て
少し悩んで


〈……ん。飲む……〉






飲んで食って
腹も一杯になった頃


千賀が
重い口を開いた



〈……ニカがね……ミツのこと抱き締めてて……〉



俺の右目尻が勝手にピクピク痙攣した

〈ミツが「好きだ」って何度も……ニカに言ってて……ニ……ニカはね……黙って…ミツの頭撫でて…………〉

〔え……マジ？いつものおふざけじゃなく？〕

〈ミツ……マジ泣きしながら……ニカの胸に顔埋めてた…………楽屋でふざけて好き好き言ってんのと違うよね？……二人きりなのに……そういうのって…………〉
後は言葉が続かない……


俺の眉間には相当なしわが寄ってたらしい……

そんな俺を見て
千賀も少しビビっている


〈待っててって言われたのに……待ちきれなくて……ノコノコ迎えにいったのが悪いんだよ……慌てて言われた所に戻ったんだけど……もし、2人で出てきたらって思ったら……怖くて……〉

〔そのまま飛び出して……あんな所まで来ちゃったって訳か？〕

千賀が…コクリと頷いた

渉が俺のことを
チラリと見て
派手なため息を着いた

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