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『ありがとうございました』
頭を下げて宿を後にする
今日見つからなければ大人しく帰るしかない
賑やかになってきた城下町を歩きながら、地図を見る
トントンさんと来た雑貨屋も
コネシマさんと食べたワッフル屋さんも
何も変化したところはなかった
あれから数時間
たどり着いた場所は細い路地裏
薄暗い道の奥に扉があって、周りを見ると地図と同じ地形で同じお店が並んでいる
やっと見つけた
扉の前に立ちドアノブに手を掛け音を立てないように力を入れるが、鍵がかかっているのか開かなくて
人が出入りするのを待つ為に、近くにあったカフェで紅茶を買ってのんびり待つ事にした
夕日が見え始めた頃
何故か出入りのないこの家に少し違和感を抱きながら、私はついに諦めようと息を吐く
女の子も見当たらなければ人さえ出ない
待つのもくたびれた
女の子もインカムも諦めるしかない…そう思って歩き始める
泊まるところもないから早く帰らなきゃと足を進め、頭の隅で鬱さんと女の子が交互にチラついて
あまり考えないようにしようと頭を振り
コネシマさんと食べたワッフル屋さんの前を通った
その時
「っ、お姉さんっっ！助けて！！！」
そんな声が私の耳に入り、くるりと振り返る
周りにいた人達も声が聞こえたのか少し不思議そうな顔をしていて
気の所為じゃないことを知らせていた
辺りを見渡し、私はさっき見つけた家の前まで走る
そこまで距離はない、大丈夫
着いた頃には、また静かな路地裏で
ただ、家の中から見える光が確実に人が居ると証明している
私は静かに深呼吸をし、扉に耳を当てた
『……っ！』
聞こえたのは聞き覚えのあるセリフ
耳にこびりついて離れない人を殴る音
子供の助けを求める声
グルグルと回り始めた視界に、慌てて口を押えた
自然と目から涙が流れ、過去の自分と重ねてしまい手が震える
助けなきゃ、助けなきゃいけないのに
『…っ…ご、めん、ごめんなさい…』
誰に向けて放った言葉なのか、自分でも分からなくて
後ろに一歩下がったところで私の足元に落ちているハンカチに気がついた
それを拾い中を見ればインカムが入っていて
機械質な音がしているそれはまだ壊れていない
……ここで、私が人を呼べば
狂った人間は玩具を壊し、使えなくするだろう
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のん(プロフ) - 続編に続くんや〜！！なんかもう帰らんでもよくねとか思っちゃうけどうーん切ない！！更新お疲れ様です！ (2020年4月23日 18時) (
レス) id: 51c14942b2 (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - 謎の物体さん» 1から読んで頂きありがとうございます〜！！これからもよろしくお願い致します！ (2020年4月16日 17時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - 惡者さん» すっっっごく嬉しいです……ありがとうございます！！これからも更新頑張るので宜しくお願い致します〜！ (2020年4月16日 17時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
謎の物体(プロフ) - 1章からぶっ通しで読んできました！！凄い好きです(突然の告白)これからも更新頑張って下さい！ (2020年4月14日 13時) (レス) id: afd23be113 (このIDを非表示/違反報告)
惡者(プロフ) - めーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっちゃ好きです!!! 更新頑張ってください! 応援してます!! (2020年4月11日 11時) (レス) id: 6e563c1eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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