【w.r.w.r.d!】どうやら愛されていたようです【終】

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車椅子を押されること15分


後ろでへばっている彼を見て少し笑っていれば
「大先生！」
という声にふと顔を上げる





『……え…？』
「紹介したい、ヤツらがおるん、やけど……って……待って、死ぬほど疲れた……」






桜の木の下

私達を見て手を振る男の人達にぎゅぅっと心臓が締められ


目元が熱くなり、すぐに顔を伏せた
そんな私を見た大ちゃんが「大丈夫」と私の手を握り、再び車椅子を押す



身に覚えのあるその人達
優しい彼等にとても似ている




「大先生遅いわ！遅刻やぞ遅刻！！」
「それが噂の彼女か………いや、お前には勿体ないな」
「え、なんで泣いてん！？大丈夫か！？」
「なぁ、名前なんて言うん！？」





聞き覚えのある声に心の何処かで安心する自分がいて



彼等と過ごしたあの1ヶ月
それは私の人生を変えるものだった




「ちょっ……ゾムもショッピくんもあんま触らんといて！？」




慌てて彼等から私を引き離した大ちゃんの綺麗な藍色の目が、私を見て安心したように細くなり

顔をあげれば見たことのある綺麗な黄土色の髪の毛がキラキラと光っていた






「初めまして、Aさん」






新しい風が私の背中を押す




生きる世界が違う、彼等の想いと

大切な彼との約束を守る為に





『……初めまして』





私はまた、新しい幸せを……





優しくて暖かい彼等と

貴方とではない、大好きな彼と共に






-終-

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