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『……で、出来た…』
時はすぎ
あっという間に来てしまったバレンタイン
目の前に置いてある割と綺麗に出来上がったクッキーの入ったちいさな箱
看護師さん達と一から作った訳だが予想以上に時間がかかった気がする
私の背後に立つ看護師さん達は満足そうに笑っていて、みんなに頭を下げお礼を言った
『…あとは、渡すだけ』
「大丈夫よ味に支障はないし、気持ちだって籠ってるもの」
「素敵な一日にしなさいよ〜！」
そう言って彼女達は私の背中を押した
ゾムくんが来る時間まで残り数分
落ち着かない気持ちもある、それに異様にドキドキしてしまう
いつも通りに接すること
自分に言い聞かせるようにして私は自室で彼を待っていれば、扉がゆっくりと開き目の前にいつも通りのゾムくんが現れた
渡す。
という意識をするだけで手に汗が滲みそうで
「よ！」と笑顔を向けたゾムくんはすぐに私の手に持ってる箱に気がつく
「……もしかしてAの手作り？」
『ま、まだ何も言ってないのに…』
嬉しそうにニコニコするゾムくんは椅子に腰をかけ「俺の？」と自分自身を指さし
なんでこんなに私だけ恥ずかしくなってんだ……
なんて言いたい気持ちを抑え、ゾムくんの手の上に『いつもの、お礼です』と箱を乗せるのピタリと動きを止めるゾムくん
「え」
箱を見て私を見てを繰り返す仕草に不安が積もり始める
そういえば、ちゃんと聞いてなかった
『……え、えっ？も、もしかして人の作ったもの食べれない人だった！？ご、ごめ』
慌てて回収しようとすれば小さな声がボソリと聞こえ、それから顔を上げたゾムくんの瞳はキラキラしていて思わず言葉を失う
「めっちゃ嬉しい」
『へ』
「いや、Aから貰えへんかなぁって今日、ちょっとだけ、期待しとったから」
頬の赤い彼は目を細めて笑った
こんなにも喜んで貰えると思わなくて、ジワジワと自分の顔に熱が篭もるのがよく分かる
眩しい彼に今日も心臓が早くなる
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ゆうな(プロフ) - なぜ、、！何故こんなにも淡く切ない物語なのに、、評価が少ないんだ…私このお話好きです！！！大好きです！！！！夢主ちゃんの体が、そろそろ限界になってきてるよぉ…頑張れ夢主！！そしてゾムイケメンやのぉ！！！、 (2021年2月12日 20時) (
レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - とうとう夢主ちゃんの体がっ…！1話から読み直して明日に備えようと思います。毎日とても素敵なお話をありがとうございます！ (2021年2月11日 19時) (レス) id: e30e1010c9 (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - みざらず@枢軸さん» 涙ボロボロ出させてしまった……読んでいただけて本当に嬉しいです、ありがとうございます…！これからも頑張りますのでぜひ最後まで見ていただけたら幸いです〜！ (2021年2月9日 19時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - 作品更新サボり魔くんさん» 物凄く嬉しいです〜！長いのに読んでいただけて幸せです、ありがとうございます！これからも楽しませられるよう頑張りますので最後までお付き合いよろしくお願いいたします！ (2021年2月9日 19時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
みざらず@枢軸(プロフ) - 涙ボロッボロしました。本当にこのお話を読めて幸せです… (2021年2月8日 17時) (レス) id: 3f58576e7d (このIDを非表示/違反報告)
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