透明な花火 ページ26
暫しの沈黙。
すると、噂通りに何処からともなく花火が打ち上がる音がする。
「へぇ、本当に鳴るんだ。」
「結構大きな音で鳴るのね。」
何も無いと分かっているのに空を見上げた。
夜空には煌めく星と月。
そして耳に届く夏の風物詩。
たまやと叫びたくなる衝動を抑え、じーっと見つめる。
「そう言えば、幽霊花火のもう一つの噂知ってますか?」
「何それ?聞いたことない。」
私が質問をすると、新八は淡々と噂を語り始める。
「ある一人の女が複数の男達に好意を寄せられていて、その女は男達の好意には全く気付いていない。
ある日、女は男達をこの学校の屋上に連れて来て一緒に花火を見ていた。
すると男達はここがチャンスだと思ったのか、女に全員で告白する。
しかし、その女は男達を親友としか見ていなかった。だが、一人だけ、例外の男が居た。女はその男と付き合った……と言う噂です。因みに実話らしいですよ。」
「文が長すぎて読む気にならないね。」
「実話ならもう噂じゃないアル。それは実話ネ。」
要約すると、逆ハーレムだった女がその中の好意を抱いていた一人の男と付き合ったと言う事らしい。
本当にそんな事があるのかと疑わしくなるが。
話は逸れたが、今はまだ花火の音が鳴っている最中なのである。
フェンスに寄り掛かり、目を瞑ってみる。
そうしたら、花火が見える様な気がして。
…そんな無粋な真似はしちゃ駄目か。
透明だからこそ綺麗なのだ。
名残惜しくも最後の一発。
大きな音が耳を劈く。
その一瞬、透明な花火に色が付いた様な気がする。
透明で綺麗で大きな打ち上げ花火は、夜空に散った。
確かにあの瞬間綺麗に咲いたのだ。
一輪の大きな火花が。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミンティア - この度二巻が完結致しました。 是非、次の巻も宜しくお願いします。 (2017年8月1日 23時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - カカオさん» 映画館が遠いんです…映画館がこちらに向かって歩いて来ませんかね?面白いと言われると尚更気になりますね…いつかは見たい、と思ってますハイ。 (2017年7月30日 18時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - 映画今日見に行って来ましたよーーー!!(≧∇≦)すごく面白かったです!隣でいとこが爆笑してましたwミンティアさんは見に行くんですか? (2017年7月30日 18時) (レス) id: d7fde592f0 (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - ピピコさん» ご報告ありがとうございます!私もログインしたいです。何をどうすれば良いのかさっぱり分からないんですよね…お、お、お気に入りですか!?ありがとうございます!恐縮です!お互いに頑張りましょう! (2017年7月28日 23時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - いつもありがとうございます!言わずには居られませんでした…!!私この度ログインなるものを果たしまして、ミンティアさんのこの作品をお気に入りにしちゃいました!なので更新されたらすぐに見にこれます^^ これからも頑張ってくださいね! (2017年7月28日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミンティア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mintixia/
作成日時:2017年6月25日 19時