【銀魂】打ち上げ花火【3z】

雨のせい ページ17

雨がジトジトと降っている。

おかしいよね。暑い上に更に空気が蒸すって。蒸し暑いとか一番有り得ない。

そんな事をぼやいても空はその期待には答えてくれないらしい。




「で、傘忘れた…」




どうしよう。午後から雨が降るなんて天気予報じゃ言ってなかった。

十分程待ってみても雨の勢いは弱まる気配が見当たらない。

だからと言って制服を濡らすのも嫌だしなぁ…

しょうがない。鞄を盾にして走って帰ろう。
どうせ歩いて二十五分の道程なのだ。走ったら二十分位で着くだろう。



雨に濡れながらもある程度の所までは走れた。だがしかし、急にそこで雨足が強くなってしまいこれでは全身が濡れてしまうだろう。

そんな事態は避けたかったので雨宿りが出来そうな場所に逃げた。


止む気配がない雨にそろそろ諦めて走ろうとしたその時。

何者かが雨宿りに来た。
顔はよく見えなかったが、どうやら男らしい。

その男は此方に気が付いたらしく話掛けてきた。




「あり？アンタも雨宿りですかィ？奇遇だねィ。」




その特徴的な話し方。一瞬の内に判断が付く




「奇遇、ねぇ。わざと来たんじゃないの？」


「バカ言うんじゃねェや。誰がテメーみてェな女と雨宿りしたがるかよ。」


「酷い言われ様だね。まぁ、洒落だから。気にしないで。」


「毛ほども気にしてねェや。」




ぎこちなく交わされる言葉。
何故か自然と目をそらしてしまう。

普段なら言えるはずの冗談も雨のせいだから言えない。
きっと雨のせいで気が滅入ってるだけ。

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