【銀魂】打ち上げ花火【3z】

テヘッ ページ16

あー面倒だ。とてつもなく面倒だ。

学校祭の準備とか…したくない。

しかも今年のクラスの出し物はメイド喫茶だって。
わざわざコスプレ紛いの事しなくても良いのに。
男共は執事の格好するらしい。
私も執事の格好が良かった。
スカートなんぞ履きたくもない。

そう一人で文句を言っても決まってしまった事は仕方がない。
諦めて作業に取り掛かる。




「ねぇ、お妙。私、やる気が出ないよ。」


「何事も我慢よ。そんなだからメイド役をやらされるのよ。」


「いやいや、元を辿ればお妙が私を推薦したでしょ。」


「あら？ばれちゃった？残念。」




そんなにあざとく「テへッ」みたいな感じでやられても可愛いけど、納得は行かない。

地道な作業が続く。
炎天下の日差しが差し込む教室。
ひたすらに作業をしないと学校祭までに間に合わないのだ。


昼十二時を伝えるチャイムが近辺に響き渡り、作業を一旦中断した。




「取り合えず今日の所は帰れる。こんなに嬉しい事って久しぶりだわ。」


「Aは変アルな。こんなことで嬉しいなんて変わってるアル。」


「私だってか弱い乙女なんだから。こう言う仕事は向いてないの。」


「あ、もしかして、こっちの仕事より衣装作る仕事の方が良かったアルか？」


「いや、此方が良いです。」




私が裁縫何かをしたら私の指先が穴だらけになる事は間違い無いだろう。
そんな恐ろしい事になる位なら此方で釘を打っていた方がよっぽど楽なのだ。




「さて、帰りますか。」




独り言をポツリと呟き外へ向かう。


ジリジリと焦がすように照りつける日差しを睨みながら自転車に股がり、家まで飛ばした。



流石、我が楽園。扇風機もエアコンもついてる。
先程まで出ていた汗も無くなる。




「あー、天国だー。」




馬鹿みたいに暑くても救いは何処にでも有るものだと改めて実感する日だ。

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