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嫌な予感 ページ36

風が通り抜ける音しかしないドアを慎重に開ける。




「姉上、失礼します。」


「まぁ、来てくれたのね。…あら?」
「その方は何方なの?」


「あ、えっと、白神Aです。初めましてミツバさん。」


「ご丁寧にどうも。私は沖田ミツバです。宜しくお願いしますね。Aさん。」




ふんわりと笑っていて心地が良い笑顔の筈なのに何処か脆くて、不安げになるような笑顔。

何となく言っていた事が分かった。
脆弱さが溢れている。
触っただけで壊れてしまいそうな。
そんな雰囲気。




「あの、これ、果物置いておきますね。」


「わざわざありがとう。まぁ、お花まで。」


「姉上、少し売店で買い物してきます。」


「気をつけていってらっしゃい。」




沖田が病室を出るまで見送った後、ゆっくりと話始めたのはミツバさんだった。




「Aさんはそーちゃんの恋人なの?」


「え、あ………えっと、違いますよ?」


「じゃあ、お友達なのね。ふふっ。あの子に女の子のお友達が出来るなんて…思いもしなかったわね。」




楽しそうにクスクスと笑う姿は本当に弟思いのお姉さんなんだな。と実感させられる。




「あっ、そうだわ。こんな事、この歳になって言うと思わなかったから恥ずかしいけれど………」
「そーちゃんだけじゃなくて私ともお友達になってくださる?」




差し出された手は白く、透明感がありしなやかで細く、綺麗だった。
その手を握るのに一瞬、躊躇いを感じたがその考えを振りほどいて私の手を重ねた。

触れた瞬間にほのかな温かさと安心を感じた。
しかし同時に不安感が私の体を包む。

迂闊に強く握ったら壊れてしまいそうな手。
何よりもそれが怖かった。




「私の初めてのお友達ね。」




そう放った言葉がやけに重く感じる。
嫌な予感がする。
すぐにこの関係が途切れてしまいそうでとても心配になる。
普段は当たりもしない勘だから、きっと大丈夫。

私の予感が的中するのはそう遠くない話だとこの時の私はまだ知らなかった。

ありえないっす→←それがドSの性



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ミンティア - 一巻完結しました。次の巻も宜しくお願い致します。 (2017年6月26日 23時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - 二千hit達成!皆様のお陰です!これからも精進いたしますので応援よろしくお願いします。 (2017年6月22日 20時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - ピピコさん» 楽しみに待って下さる方がいらした……ありがとうございます!どうしようも無いテストの残骸達と共に頑張ります!応援ありがとうございます! (2017年6月19日 1時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - テストお疲れ様でした!無理をなさらずにこれからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2017年6月18日 21時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - 私は数学と理科がどうしようもなくオワってましたwもう目も当てられない位です……お互いにテストお疲れ様です! (2017年6月16日 20時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミンティア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mintixia/  
作成日時:2017年5月7日 16時

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