愛と感謝 (ページ18)

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痛みページ18

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｢…っ、つー……｣

切った。

痛みを感じて、瞬時に状況を把握した。
切った指先からじわじわと赤い血が滲み出る。

「…？どうしたの…って、え！？廉、血出てるじゃん！！」

「あー、ちょっと切ってもうた」

段ボールを開けようとしたらちょっと手を滑らせて、カッターで右の人差し指を少し切ってしまった。
血は次々へ溢れ出て止まらず、とりあえず近くにあったティッシュを取り、傷を押さえる。

「ちょっ、やばいやん！廉！絆創膏どこ！？」

当事者の俺よりも焦ってあたふたしてる人が、1人…
絆創膏のありかを探しているが、慌ててるので見当違いの場所ばかり漁っている。

絆創膏のある場所を教えたら、すぐ様こちらに飛んできて傷口に貼り付けてくれた。

「っはーーー、痛い痛い痛い…」

「…いや、痛いの俺な。ちょっと切っただけやん、しょお焦りすぎ」

「いや、あんだけ血が出たら普通は焦るでしょ！」

血相変えて、信じらんない、とでも言うような顔で俺を見る。
指先だから出血が止まらなかったのもあるが、誰にでもよくあり得る切り傷。
大袈裟に騒ぎ立てるのは、紫耀らしいといえば紫耀らしいけれど。

傷口は触ると痛いが、血もだいぶ止まったようなので、中断していた段ボールを開ける作業をする為に再びカッターを握ろうとしたら、紫耀がそれを勢いよく奪った。

「だめだめだめっ！そんな状態でやったら、また違うとこ切っちゃうから！」

「はぁ？もう平気やねんけど」