拝啓、あの日の君へ ２ 【Snow Man】

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『結果的に、Snow Manというグループに私たちが加入したことでトントンと進んだデビューかもしれないけど。でも、それは私たちがグループを守ったからじゃない。このグループを意地でも守るって決めた、6人の意思が伝わってたからだよ。だから私たちも、ついていかなきゃって。グループを守ると決めた格好いい人たちの背中を見て、同じように背筋を伸ばして頑張れたの』






守ったのは私たちじゃないし、私じゃない、ひーくんやふっかさん、しょーたや国王やあべちゃん、さっくんだよ。
いつも、私たちが進むべき方向を、ちゃんと示してくれてありがとう。
ちゃんとね、グループに貢献できるように頑張るね。
足を引っ張ることも多いと思うけど、私は私が持っている全てで、このグループと向き合うから。
そう言った後、ゆっくりと頭を下げて、これからも未熟な私ですがよろしくお願いします、とAが呟いた。

気付かない内に、きっとお互いがお互いに尊敬し合っていて、高め合っていて、大切にしたいと思い合えている。
守ったつもりが守られたり、守らなければと思わせてくれて、Snow Manをより誇らしく思わせてくれて。
そんな存在が4人もいて、4人にとっては俺たちがいる。
これ以上、もうきっと何もいらない。
ただそばにいるって、離れないってことが、Snow Manを蔑ろにしないということが、それこそが俺たちを確かに繋いでいる。






「Aは、格好いいね」
『ひーくんも格好いいし可愛いよ』
「可愛いは余計じゃない？」
『スイーツを食べてそんなに笑顔になる人、可愛い以外に何があるの？』





タルトを食べ終えたAがフォークを静かに皿に置いた。
Aがタルトを2切れ食べる間に、俺はひとつの皿を完食している。
男と女。
どうしても俺たちの間には途方もない壁がある。
だけど、それがどうした。
Aが努力で越えようとする壁を、俺たちだって超えてみせる。
壁に登って、そこから見える景色に、一緒に心を震わせたい。
Aが言葉を選び切ったのか、ゆっくりと俺に言った。






『私は6人の、Snow Manを想って育てた意思が好きだよ。泣きそうなほどの美しい覚悟が、大好きだよ。綺麗だなって、こんな綺麗な人たちと一緒にいれて幸せだなって、思えてるよ』






だから、私も一緒に守らせてね。
守ってもらうだけは嫌だから。
そう言って、もうひとつくらいタルトを食べようかな、とAが席を立つ。
胸焼けをしそうなくらいの優しくて甘やかな言葉だ。
大切にしたいと思った。
今の気持ちが、Aの言葉が、表情が、体全体に行き届くように深呼吸をした。

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