Record49 ページ2
自傷にも似た笑いがこみ上げる。もうどうでもいいやと諦めかけているとどこかから名前を呼ばれた気がした
?「A…」
辺りを見回しても誰もいない。真っ暗なのは何も変わらないが足元に冷やっとしたものが流れた
「はっ!?」
さっきまで諦めていた気持ちが嘘のように戻ってくる。だがそれが不気味で怖くなり私は駆け出した
何も誰もいないはずなのに追われている感覚が全身を襲う。止まってはいけない。何かわからないものに飲み込まれてしまうから。誰の言葉でもないセリフが頭の中に流れた
「だから、なんなんだってのぉぉぉお!」
こうなればもうヤケクソだ。なんでもいい。どうでもいい。だから早く目が覚めて誰かに会いたい。聡美さんでも拓兄でも羽多野さんでも誰でもいいから私は誰かの背中を追うように走った
view point of 羽多野さん
「う…」
羽「Aちゃん!?」
彼女が倒れてから1日が経ってしまった。ちょうど俺はオフであの二人は仕事。Aちゃんが心配だった俺は一日中彼女の部屋にいた
羽「うなされてる…?」
揺さぶっても呼びかけても彼女が目覚める気配はない。このまま彼女が目覚めなかったらどうしよう…彼女が笑ってくれなかったら、話しかけてくれなかったらどうしようと俺の中は不安でいっぱいだった
view point of heroine
「はぁ…はぁ…はぁ…」
私はあれから走り続けていた。どこを目指してるかなんてわからない。なんで走っているかもわからなくなっていた。頭の思考なんてもう使い物になっていない。そのせいか足を絡ませてその場に倒れてしまう
「ったぁ…」
なんとか体を起こすが力が入らずそこにへたり込んでしまう。乱れた息を整えながら心を落ち着けていると急に遠くから小さな薄明かりがついた
「っ…!拓、兄…聡美さん…?」
そこにいたのは拓兄と聡美さん。今まで走り続けていたのになんでこのタイミングで、しかもこの二人がここにいるのか。それだけでも驚きなのに二人は私を睨んでいた
寺「お前がいなければ…」
「…え?」
聡「Aちゃんがいなければ」
寺「Aに最初から会わなければよかったのにな」
それは私がいつも思っていたことだった。私がいなければこの二人はもっと早くに幸せになっていたのではないか。私という存在は重荷で邪魔なものではないのか。ずっとそんなことを考えていた
聡「ねぇ…Aちゃん」
「な、に…」
寺「Aさ…俺たちの前から消えないか?」
「っ…!」
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RN(プロフ) - はなつんさん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただけると嬉しいです! (2018年12月2日 22時) (レス) id: 87f7df6982 (このIDを非表示/違反報告)
はなつん(プロフ) - とても良い作品でした!!お疲れ様です、他の作品も頑張ってくださいね!! (2018年11月29日 23時) (レス) id: f6b0d69d01 (このIDを非表示/違反報告)
RN(プロフ) - 墨つきホクロウ☆さん» 返信がやばいほど遅くなり申し訳ございません!!!そう言っていただけるとは…!!そろそろ落ち着いてきそうなので更新頑張っていきたいと思います!最後までお付き合いいただけると幸いです (2018年10月14日 22時) (レス) id: 87f7df6982 (このIDを非表示/違反報告)
RN(プロフ) - 雨豆さん» またまたコメントありがとうございます!本当にグダグダ更新で申し訳ないですm(_ _)m 何回も読んでいただける文章にできるよう努力していきたいと思います!(苦笑)どうか最後までお付き合いいただけると幸いです (2018年7月12日 21時) (レス) id: 87f7df6982 (このIDを非表示/違反報告)
雨豆(プロフ) - アカウント新しくしました元Soyです!笑 更新ありがとうございます!最新一話だけで何度も読み返してしまいました。。。すっごく好きです。。。 (2018年7月7日 14時) (レス) id: 4940c1fb80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RN | 作成日時:2018年2月12日 13時