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「 ありがとう、うれしいよ
だけど、本当に酔ってるね 」
笑いながらも、ぎこちない話し方で
動揺が伝わってくる。
かわいい。
何でそんなに愛おしいんだ。
「 わたし、そんなに飲んでないんです
今日初めてカミングアウトします 」
「 あ、そーやってまた、嘘ついて〜
どう見てもべろべろだからね 」
わたしが黙ると、しばらくの沈黙。
困ってる、スンさん。
困らせてごめんなさい。
でも困らせたいんです。
ごめんなさい。
わたし、本当にすきです、スンさん...
「 ゆずちゃん、おれのことがすき ？ 」
酔いのせいで幸せいっぱいだった中に、
甘酸っぱい緊張が戻ってきたかんじ。
突然、心臓がどくどく言い出す。
「 うん、すきです.. 」
返事に困るスンさんを想像するだけで、嬉しくなって
もう返事がどうであっても
今のわたしは幸せでいっぱいで
スンさんが、自分に集中していることがうれしい、
それしか考えられない。
少し沈黙が続いて、
寝たふりをしよう、とわたしは決め込んだのだった。
「 おれもすきだよ
付き合おうか 」
心臓がどくどく言ってる。
びっくりして、閉じかけていた目が一瞬にして開いてしまった。
パジャマの胸元をぎゅっと掴んで抑える。
頭に血が上って、こめかみがどくどく言い出した。
スンさん、その台詞、超似合う...
イケメンボイスすぎ...
「 え、ゆずちゃん。 え？ 」
また困ってる
すきだ、死ぬほどすき。
寝落ちしたと勘違いしたスンさん
はあ〜と深く溜息をついて電話を切った。
その溜息を全部、わたしが吸い込みたいです。
次の日のデートの帰り
駅のホームで
同じ台詞を言うスンさんは
愛おしくてしょうがなかった。
腕を広げてハグ待ちをする姿が、
今までずっと我慢していたハグができたことが、
わたしの涙をこぼれさせそうにしたのでした。
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作者名：は | 作成日時：2020年3月7日 0時
