28話 ページ28
ひょこっ。
病室の入口から、激カラせんべいの真っ赤っ赤な袋を持った銀時が顔を出した。
口に手を添え、また上品に微笑むミツバ。
「スゴイ。ホントに頼めばなんでもやってくれるのね」
「まぁ頼まれたからな(それにさっきAから電話が入ったのは驚いたけどな。しかし、あいつはどこまで知ってるんだ)」
『銀時お願いがあるんだけどミツバちゃんのそばから離れないでくれない?』『それと、旦那さんの事で分かった事があった』
(「何を考えてるんだあいつ。もしかしてあの野郎と...)」
「ホラ。あんまり食べ過ぎんなよ。身体に障る」
「ありがとう。やっぱり優しいんですね」
「おめーもどうだい? バナナもあるぞ」
シケたことを思いながら、ベッドの下からダダ漏れなひとつの気配に声を投げた。
「いえ結構です。隠密活動の時は常にソーセージを携帯しているので」
するとやはり。黒い手がぬっと出てきた。
ミツバと一緒にその間抜けを覗き込む。
「アレ? 山崎さん? なんでこんな所に」
「しまったァァァァァ!!」
「お前よくそれで仕事勤まってるな」
ガンガンっ! しつこく粘着するジミーを蹴る。
「痛い痛い!旦那痛いですって!!」
「ならさっさと出て来てこんなとこにいる理由を吐きやがれアフロコラ!!」
「あだァっ!! わかりましたわかりましたから!!」
どーせあのヤローの差し金だろうと確信のすぐ手前まで来ていたから、ミツバのいる病室ではなく夕空の真下、屋上にアフロを連行した。
つーかこいついつまでアフロ維持してんの?
そろそろ戻らないの、そーゆう髪質なの。
ぼーっと思い、手すりの前に並んで立った。
「んで? お前をつかわせたご主人様はどこのマヨラーだ?それと、Aの居場所は何処だ」
「……わかってるなら聞かんで下さいよ。旦那の思ってる通りの人ですよ。Aさんの居場所は知りませんよ」
「ミツバさんの旦那…見たでしょう」
「ああ。あの眉毛が海苔みたいなおっさんね」
「その眉毛が海苔みたいな転海屋蔵場当馬は、闇商人との黒い繋がりがあるようなんですよ」
「密輸で仕入れた武器と薬を売りさばく、いわゆる闇商人だろ?」
「旦那どこまで知ってるんですか?」
「高杉から聞いた。Aから調べてくれって連絡があったそうだ」「あいつの事だから野郎について行ったんだろうよ」「Aに会ったら伝えといてくれ「無茶するな」って」
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作者名:らんちゃん | 作成日時:2021年1月24日 8時