【ヒプマイ】麻天狼に救われた女の子のお話。 (ページ42)

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家にページ42

寂雷視点

いつもより長く感じた帰路。

やっと家に帰り、車を降りて家の鍵を開く。

昨日までは、扉を開いてもそこには静寂しか無かったのに。

冷たい空気は、暖かいものへと変わっていた。

ツキカ『あ！おかえりなさい、先生！』

この声が、迎えに走ってくれる姿があるだけで、こんなに心が満たされるのかと。

ツキカ『朝ごはん、作ったんですが…………先生？』

気づけば、私は彼女を抱きしめていた。

ツキカ『………先生。おかえりなさい』

寂雷「うん、………ただいま」

ツキカも私の背に手を回し、二人で抱き合った。

ツキカ『……デート、ですよね。今日。…お仕事の後、ですが…大丈夫ですか？』

心配そうな彼女の声。

ツキカから体を離し、彼女の顔を見てそっと微笑む。

寂雷「うん、大丈夫。それにツキカとのデートだからね、私も楽しみにしてるんだよ。一緒に出かけよう、朝食をとったら、直ぐに」

そう言うと、彼女はぱぁっと顔を輝かせた。

ツキカ『…はい！えっと、朝ごはんは暫く何も作ったりしてなかったのでトーストを焼いてジャムを塗っただけのものなのですが…』

寂雷「大丈夫だよ、ツキカの作ったご飯を食べられるだけでもすごく嬉しいからね」

ツキカ『ぱ、パンもちょっと焦げちゃったんですが…』

寂雷「少しくらいなら全く問題ありませんよ。さぁ…私はとりあえず、荷物をおいてこようかな」

彼女の頭を優しく撫で、自分の部屋に戻って荷物を置いた。